英知出版

英知出版の概要

英知出版株式会社（えいちしゅっぱん、EICHI PUBLISHING INC.）は、日本の出版社で、1982年に設立されました。元々はホーチキ商事株式会社の出版部門として始まり、1973年にホーチキ出版として設立された後、1977年に現在の商号に変更されました。創業当初は一般向けの出版物を扱っていましたが、1980年代に入ると男性向けのグラビア雑誌の発行に注力するようになりました。特に、山崎紀雄が宇宙企画を設立し、同社の権利を買い取ったことから、メディアミックスの戦略が進められました。

出版物の発行状況

1983年には『ビデオボーイ』や『Beppin』などの雑誌が創刊され、これらは特に人気を博しました。1980年代の末には、これらの雑誌の総発行部数が毎月100万部を超えるまでに成長しました。この時期、英知出版は男性向け雑誌の代表的な出版社としての地位を確立しました。

しかし、1994年には『Beppin』がわいせつ容疑で摘発されるという問題が発生し、1996年には関連する企業を含めて大規模な税務調査が行われ、11億円の申告漏れが指摘されました。その結果、5億6千万円の追徴課税を受けるという経営的打撃を受けました。

経営の変遷

2001年に山崎紀雄が経営から手を引くと、英知出版は徐々に他社へと譲渡されていきます。2002年6月には、ファッションやパズル誌、書籍部門を新たに設立されたインフォレスト株式会社に移管し、2006年には男性向け雑誌の発行部門を株式会社ジーオーティーに譲渡しました。

最終的に、親会社のティーケーパートナーズが経営破綻を迎え、英知出版も2007年に事業を停止し、同年には自己破産の申し立てを行うことになりました。

主な雑誌と関連する問題

英知出版は多くの雑誌を発行していましたが、主な雑誌には『411』や『HARDCORE CHOPPER Magazine』、『COSMODE』などがあります。特に男性向けでは、様々なグラビア雑誌のラインアップがあり、その中には『Beppin-School』や『ビデオボーイ』なども含まれています。

2007年2月には、出版した書籍の内容が人権問題を引き起こし、国内外からの批判が集まりました。これにより、書籍が一部の店舗で販売中止に追い込まれる事態も起きました。

なお、2007年には兵庫県の私立大学が英知大学から聖トマス大学へと名称を変更する動きもあり、これは英知出版との名称の類似性によるものでした。奇しくも、英知大学はその後2015年に廃校され、英知出版と時を同じくして消滅することになりました。

後の展開

英知出版の本社は、最終的に渋谷区神宮前に移転していましたが、倒産後のその場所は結婚式場に転用されました。英知出版という一時代を築いた企業は、様々な波乱があったものの、多くの人々に影響を与えた出版物を世に送り出した存在として記憶されています。

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