全日本アイスホッケー選手権大会

全日本アイスホッケー選手権大会（ぜんにほんアイスホッケーせんしゅけんたいかい）は、公益財団法人日本アイスホッケー連盟が主催する、日本のトップチームが集まる国内最高峰レベルのオープン大会です。日本のアイスホッケー界における真の王者を決定する権威ある選手権として、長年にわたり開催されてきました。

大会の歴史と概要

この選手権大会は、1930年に栃木県日光市で産声を上げました。以来、日本の主要なアイスホッケーリンクを巡る持ち回り方式で開催されています。長い歴史の中で、大会の形式や参加資格は時代の変化に合わせて見直されてきました。

出場資格の変遷

初期の全日本選手権は、主に当時の日本リーグに参加しているチームなど、特定のカテゴリーに属するチームに限定されていました。しかし、アイスホッケーの普及と発展を目指し、2003年に開催された第70回大会から、参加資格を大幅に拡大するオープン大会へと移行しました。

オープン化当初は、国内のアジアリーグアイスホッケーに参加するチームから大学、さらには高校のチームまで、日本アイスホッケー連盟に加盟し、定められた予選を突破するなどの条件を満たせば、最大32チームが参加できる画期的な形式となりました。これにより、実力のある様々なカテゴリーのチームが日本一を目指せるようになり、大会の裾野が広がりました。

その後、第80回大会からは出場チーム数が8チームに見直され、より精鋭が集う大会となりました。近年では、出場枠がさらに調整されています。特に、2020年初頭から世界的に流行した新型コロナウイルス感染症の影響を受け、同年の大会は安全確保と規模縮小のため、参加資格がアジアリーグ所属の5チームのみに限定されました。

2021年以降の大会においては、出場枠は合計12チームに設定されています。この内訳は、アジアリーグ所属の5チームに加え、関東大学アイスホッケーリーグ戦の上位2チーム、関西学生アイスホッケーリーグ戦の上位1チーム、そして後述する全日本選手権（B）で上位4位に入賞したチームです。この新たな形式により、プロ・アマ問わず、各カテゴリーで高い成績を収めたチームに、日本最高峰の舞台で競う機会が与えられています。

全日本選手権（B）

全日本選手権（B）は、主にアジアリーグに所属しない社会人チームを対象とした大会として位置づけられています。この大会は、2018年度まで開催されていた日本アイスホッケー連盟会長杯を発展的解消し、それを受け継ぐ形で2019年から始まりました。大会回数は会長杯からの通算となっており、歴史が継続されています。選手権（B）で優勝したチームには、翌年度の全日本選手権（A）への出場権が与えられるため、アマチュアチームにとっては日本最高峰への挑戦権を獲得する重要な舞台となっています。なお、2020年3月に開催が予定されていた第54回大会は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより中止となりました。

大会の記録と中継

全日本アイスホッケー選手権大会の歴史の中で、最も多く優勝杯を掲げているチームは、前身チーム時代を含めてレッドイーグルス北海道です。その優勝回数は37回に達し、大会の栄光の歴史にその名を刻んでいます。

決勝戦の模様は、長年にわたりテレビ中継が行われています。第81回大会まではNHK教育テレビで放送されていましたが、第82回大会以降はNHK BS1で全国に生中継されており、多くのファンが自宅からでも熱戦を観戦できるようになりました。

全日本アイスホッケー選手権大会は、男子トップレベルの大会として日本のホッケー界を牽引していますが、このほかにも日本アイスホッケー連盟は全日本女子アイスホッケー選手権大会や日本学生女子アイスホッケー大会など、様々なカテゴリーの全国規模の大会を主催し、国内のアイスホッケーの発展に貢献しています。

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