全日本教職員連盟

全日本教職員連盟について

全日本教職員連盟（全日教連）は、日本の教職員を代表する組織の一つで、略称はNTFJです。本団体は、1957年に日本教職員団体連合会（教団連）が設立されたことが起源で、これはその前に存在していた日本教職員組合（日教組）の姿勢に疑問を持つ教職員たちによって結成されました。当初は日教組以外の独立した教職員組合として機能し、その後、様々な経緯を経て1984年に多くの教職員団体が統合され、現在の全日教連が誕生したのです。

組織理念

全日教連の特徴的な点は、教職員を「教育専門職」と位置付け、教育労働者という表現を用いないところです。また、自らを「教職員団体」と定義し、文部科学省が使用している用語を採用しています。このような立ち位置を取ることで、日教組に対する批判を明確にし、偏った教育方針や政治的闘争からは距離を置こうとしているのです。

団体は「教育の正常化」を掲げており、教育現場に特定のイデオロギーを持ち込まずに、中立かつ公正な教育を推進しています。また、日本の美しい伝統や文化を守ることにも重きを置いています。さらに、日本国憲法に基づき、国民としての名誉をかけた理念追求を宣言しています。このように、全日教連は教育基本法の改正を支持し、日教組などとは異なる立場をとっている点が際立っています。

現状と Membership

2023年3月に文部科学省から発表された調査によると、全日教連の加入者数は17,078人で、組織率は1.8%と前年比でわずかに減少しています。新規採用の教職員の加入状況は横ばいであるものの、全体的には加入者が減少している傾向にあります。特に栃木県教職員協議会（栃教協）の会員数は約10,000人と多数を占めています。

全日教連は、教育の正常化を推進するためのシンクタンクである日本教育文化研究所（教文研）と提携しており、両団体の本部は同じビル内に位置しています。これにより、教育問題に関するさまざまな研究が行なわれ、教育現場へのフィードバックが期待されています。

加盟団体

全日教連には、多くの教職員団体が加盟しています。具体的には、各県ごとにさまざまな教職員団体が存在し、高校教職員団体、管理職教職員団体、さらには私立学校の教職員団体が含まれています。これによって、全国的に教職員の意見や立場を集約し、より強力な影響力を持った組織を形成しています。

外部活動

植田宏和委員長は、慰安婦問題に関するアメリカ合衆国下院121号決議の全面撤回を求める抗議書に賛同し、反響を呼んでいます。この抗議書は、日本文化チャンネル桜からの呼びかけにより作成されたもので、2007年にアメリカ大使館へ手渡されたものです。

まとめ

全日本教職員連盟は、教育の権利を守る活動を展開しながら、教育現場の中立性を重視しています。近年の加入者数減少という課題に直面しつつも、教育の正常化を目指して様々な取り組みを行い、教育者としての責任を果たす姿勢を貫いています。

もう一度検索