全日本柔道選手権大会

全日本柔道選手権大会（ぜんにほんじゅうどうせんしゅけんたいかい）

全日本柔道選手権大会は、毎年一度開催される男子柔道の無差別級日本一を決める伝統的な大会です。この大会は、NHK、朝日新聞社、日本武道館の後援のもと、毎年4月29日に東京都の日本武道館で行われます。

歴史と成り立ち

この大会は、戦後に全国の柔道家たちが集まり、久しぶりの再会を祝うとともに、平和な日本の再建を語り合う機会として始まりました。初回の開催は、嘉納治五郎の没後10年を機に行われ、その後、オリンピックや世界柔道選手権の年には、重い階級の代表選考会としての性格も持つようになりました。

優勝者には、天皇杯や朝日新聞優勝旗、日本武道館杯といった名誉あるトロフィーが贈られるほか、特別協賛による副賞として、東洋水産からマルちゃん赤いきつねと緑のたぬきが1年間分贈呈されます。大会はNHK BSおよび総合テレビにて生中継されることが多く、全国の柔道ファンがその模様を楽しみにしています。毎年、前日の4月28日には、講道館で全国柔道高段者大会が行われることが慣例となっています。

柔道三冠の一つ

全日本柔道選手権大会は、日本人柔道家にとって特に重要な大会であり、オリンピックや世界選手権と並んで「柔道三冠」または「日本三大大会」の一つとされています。この大会は、1930年から1941年までの間、全国から男子選手が集まる全日本柔道選士権大会が前身となっており、その後、現在の形に発展してきました。

大会の変遷

戦前は、「専門」と「一般」といった形で選手を分類して大会を開催していましたが、1941年以降、これらの区分は廃止され、現在のような唯一無二のチャンピオンを決定する形式へと移行しました。1949年の決勝戦では、延長戦にもかかわらず技のない状態が続き、主審の判断により引き分けとなり両者優勝という結果が記録されていますが、これは後のルールでは考えにくい出来事です。

また、審判制度も時代と共に進化し、2017年からは男女の審判員を積極的に登用する取り組みが始まりました。大会の中には、反則負けが初めて適用されたケースや、新型コロナウイルスの影響で延期された2020年、2021年の大会があり、柔道界でも変化の波が押し寄せています。

ルールの規定

全日本柔道選手権大会の試合は、2011年以降国際柔道連盟の試合審判規定に基づいて行われており、試合時間や延長戦のルールが時折変更されています。2024年からは試合時間が5分に変更され、決勝は8分に設定され、従来の旗判定が再び復活するなど、柔道の進化と共にルールも見直されています。

このように全日本柔道選手権大会は、数多くの選手たちが日本一を目指して挑む重要な舞台であり、柔道の発展とともに常に進化し続けています。

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