全日本歌謡選手権

全日本歌謡選手権の概要

『全日本歌謡選手権』という名の歌謡番組は、日本テレビ系列の読売テレビによって制作され、1970年1月5日から1976年12月25日まで放送されました。この番組は、アマチュアとプロの歌手が対決する歌合戦形式のオーディション番組で、特にヒット歌手の再起を目指すための登竜門として多くの出場者に希望を与えました。

番組の形式とルール

番組では、毎回大阪近郊のホールに一般視聴者を招待し、五人の挑戦者がステージに立ちました。審査は各審査員により行われ、持ち点20点の合計が100点満点で評価されます。基準点の70点に達したら合格となり、その挑戦者は次週へ進むことができました。10週連続で勝ち抜くことができると、グランドチャンピオンとして認定され、豪華な特典を得られました。特典にはゴールデントロフィー、レコード会社との契約権、賞金、海外旅行などがあり、番組全体の盛り上がりを支えていました。

グランドチャンピオンの名が発表される際には、特別な演出も用意されており、ステージ上にいる挑戦者に向かって紙吹雪が降り注ぐ姿が印象的でした。

出場者と審査員

この番組からは数多くのスター歌手が誕生しました。初代チャンピオンの胡浜三郎をはじめ、五木ひろし（当時は三谷謙名義）、八代亜紀、天童よしみなどが名を連ねています。番組の審査員も豪華で、淡谷のり子、船村徹、平尾昌晃らが出演し、視聴者に音楽の魅力を伝えました。

番組の司会者は最初は長沢純が務め、その後浜村淳に交代。この交代により出場者が6人に増え、審査員の数も増すなど、徐々に番組は進化していきました。

認知度と文化的影響

『全日本歌謡選手権』はその放送期間中に多くの視聴者の心をつかみ、数々のヒット曲が誕生した背景もあります。また、1975年には沖縄国際海洋博覧会での特別収録も行われ、番組の認知度をさらに高めました。このように多様なシーンで収録を行い、多くの人々に支えられながら、視聴者参加型のスタイルで親しまれてきました。

放送の変遷

番組の放送は、1970年から1973年にかけて月曜日の19:30から20:00、1973年から1975年までは日曜日の19:00から19:30、最後の1975年から1976年にかけては土曜日の19:00から19:30に変更されました。このように、時間帯も変わりながら多くの人々に楽しまれました。視聴者自身も歌に参加できる機会を得られるこの形式は、他の歌謡番組とは一線を画す存在となりました。

最後に

『全日本歌謡選手権』は、多くのスターを輩出しただけでなく、日本の音楽文化にも大きな影響を与える番組でありました。現在の音楽シーンにおける影響は色濃く残り、番組参加者たちは、今でもその思い出を語ることが多くあります。50年以上前の番組ですが、その美しい音楽と情熱は、今も人々の心に残っています。

もう一度検索