全米美術大学協会

全米美術大学協会（AICAD: Association of Independent Colleges of Art and Design）は、アメリカ合衆国の芸術教育における重要な役割を担う大学協会です。1991年に設立されたAICADは、単なる美術学校の集まりではなく、高等教育機関としての大学に特化した組織として、質の高い芸術教育の推進に貢献しています。

AICADの設立以前には、全米美術学校協会が存在していましたが、AICADは、大学レベルでの美術教育の相互協力に焦点を当てた組織として誕生しました。そのため、AICADへの加盟には、いくつかの厳格な基準が設けられています。まず、加盟組織は高等教育における学位授与能力を有している必要があります。これは、単なる美術学校ではなく、大学として正式な学位を授与できる機関であることを意味します。

さらに、AICADへの加盟には、全米美術学校協会の認可も必要となります。これは、AICADが、芸術教育における高い水準と信頼性を維持するために設けた重要な条件です。AICADは、加盟校の質を保証することで、学生や保護者にとって信頼できる情報源としての役割を果たしています。

また、AICADの加盟大学は、芸術教育を専門とする大学であることが求められます。総合大学の一学部として美術学科が存在するような大学は、AICADには加盟できません。ただし、欧米でしばしば見られる複数大学制の一部、もしくは付属の美術研究所などは、AICADへの加盟が認められる場合があります。これは、AICADが芸術教育に特化した大学を重視していることを示しています。

AICADは、加盟大学の芸術教育における歴史と業績を一般に公開することで、学生にとってより多くの選択肢を提供する役割も担っています。協会の公式ウェブサイトには、加盟大学の一覧が掲載されており、学生は自分の興味やキャリア目標に最適な大学を探すことができます。

AICADは、加盟大学間の連携強化にも力を入れています。定期的にニューヨーク市の協会本部で、加盟大学の学長による協議会が開催されます。この協議会では、加盟大学間の情報交換や協力体制の構築などが行われ、芸術教育の向上に繋がる様々な取り組みが議論されます。

現在、AICADにはアメリカ国内に36校、海外に7校の大学が加盟しています。これらの大学は、それぞれ独自の特色を持ちながら、AICADを通じて連携し、質の高い芸術教育を提供しています。AICADの活動は、アメリカの芸術教育の発展に大きく貢献しており、今後もその役割はますます重要になっていくと考えられます。AICADの加盟大学一覧は、公式ウェブサイトで確認することができます。

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