全米野球選手協会

全米野球選手協会とは

全米野球選手協会（NABBP）は、1858年から1870年までアメリカ合衆国において存在した野球団体です。この組織の設立は、様々な野球ルールの統一化と、全米での野球競技普及の礎を築きました。

野球の起源と発展

野球の起源に関しては、1839年にアブナー・ダブルディが考案したとされる説が1905年に成立した野球起源調査委員会の結論として広く知られています。しかし、実際には1842年、アレキサンダー・カートライトが結成した「ニッカー・ポッカー野球クラブ」が公式にルールを整備し、試合の規則を明文化しました。このような取り組みが、野球の発展に大きく寄与しました。

1850年代には、アメリカ北東部での野球人気が急増し、地域から地域へと試合が行われるようになりました。クラブごとの対抗試合が盛況を極め、時に社交行事にまで発展しました。このような背景を受けて、全国的な野球協会の設立を求める声が高まりました。

NABBPの設立

1858年、ニューヨーク周辺の数つの野球クラブが集結し、ついに全米野球選手協会が設立されました。この協会の設立にあたっては、1つのクラブが18人以上の選手を必要とし、選手には高潔な行動を義務付け、報酬や賭博行為を禁止する規則が設けられました。

会員増加と選手のプロ化

NABBP設立当初より会員クラブ数は増加し、1860年には53クラブに達しました。その後、南北戦争の影響もあって、会員数は減少するものの、戦後には再び増加し、300以上のクラブが加入するように。

とはいえ、選手に対する報酬禁止のルールがある中で、実際には多くのクラブが密かに選手に報酬を支払っていました。1869年にはシンシナティ・レッドストッキングスが設立され、試合での成績も良好であり、プロクラブ化の道が開かれました。

プロとアマの分裂

1870年、プロ志向のクラブがNABBPを離れ、全米プロ野球選手協会が設立される事態に至りました。一方で、アマチュアのクラブは全米アマチュア野球協会を結成し、プロ化に反対する姿勢を示しました。これにより、プロとアマのグループが形成され、NABBPは解体されていきました。

各チームの概要

NABBPに参加したクラブは多岐に渡り、ブルックリン・アトランティックス、ニューヨーク・ミューチュアルズなどが知られています。特にブルックリン・アトランティックスは多くのシーズンで優勝を重ね、野球界に強い影響を持ちました。

結論

全米野球選手協会は野球の歴史において、ルールの統一化と地域間の連携を促進した重要な組織でした。その後のプロチームの設立やプロとアマの分裂に見られるように、アメリカにおける野球は大きな変革を遂げていきます。

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