全米プロ野球選手協会

全米プロ野球選手協会 (National Association of Professional Base Ball Players, NAPBBP)

全米プロ野球選手協会は、アメリカで初のプロ野球リーグとして1871年に設立され、1875年まで存続しました。このリーグは、野球が急速に普及した1860年代後半の背景の中で、アマチュアの野球クラブから転身した「全米野球選手協会」のプロ選手カテゴリーとして発展したものです。特に、シンシナティ・レッドストッキングスが最初のプロチームとして認識され、野球のプロ化が進んだ時期でした。

リーグの設立背景

1871年、ニューヨークでの会合において、ジェームズ・カーンズを会長に迎え、全米プロ野球選手協会が設立されました。このリーグの特徴は、参加資格が非常に緩く、加盟を希望するチームはわずか10ドルの費用を支払うことで参加できた点です。これは、当時のプロ球団にとって資金的な負担が軽い反面、運営基盤が脆弱なチームや不正行為を行うチームも参加しやすい環境を生んでしまいました。

運営の問題

初期のリーグ運営には多くの問題がありました。賭博や八百長などの不正行為が横行し、リーグの信頼性が低下する要因となりました。また、現在のような戦力均衡策が取られていなかったため、強いチームと弱いチームの実力差が大きく、観客の集客にも影響を及ぼしました。こうした複合的な問題により、全米プロ野球選手協会は短命に終わり、1876年に誕生したナショナルリーグがこれらの問題を解決する形で新たなリーグを形成しました。

ナショナルリーグとの関係

ナショナル・アソシエーションは1960年代までメジャーリーグベースボールの一部として扱われていましたが、1969年の特別委員会の決定により、公式にはメジャーリーグではないと認識されています。この裁定に伴い、ナショナル・アソシエーションに参加した球団やその成績は、一部はメジャーリーグとは別の扱いを受けるようになりました。一方で、ナショナル・アソシエーション期間に活動した選手たちの通算成績は、メジャーリーグの記録に含められることもあります。

加盟チームと成績

全米プロ野球選手協会には、5年間で約25の球団が加盟しました。加盟チームの多くは活動が長続きせず、最終的にはシカゴ・ホワイトストッキングスやボストン・レッドストッキングスなどの数チームのみが存続しました。特にボストン・レッドストッキングスは、1872年から1875年の間に4年連続でリーグ優勝を果たすなど、その強さを見せつけました。

個々の記録

ナショナル・アソシエーションの各シーズンにおいて、個々の選手が残した記録も注目されています。例えば、1871年にはリーヴァイ・メイエールが最高打率.492を記録したほか、アルバート・スポルディングは多くの勝利を挙げ、最優秀防御率も獲得しました。これらの記録は現在でも野球ファンにとって興味深いものとなっています。

おわりに

全米プロ野球選手協会は、プロ野球の始まりを築いた重要な組織ですが、運営の問題や倫理的な体制の不備から短命に終わります。その後のナショナルリーグは、これらの経験を生かし、より健全なリーグ運営へと発展していくことになります。

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