全聚徳

全聚徳について

全聚徳（ぜんしゅとく）は、中国の北京市に本店を構える北京ダック専門のレストランチェーンです。1864年に創業され、以来特有の料理方法と高品質な食材で知られています。特に北京ダックは、世界中でその名が知られており、多くの観光客が訪れる理由の一つとして、北京では「長城を見ずしては好漢に非ず、北京ダックを食さないのは遺憾の極み」と言われるほどの地位を誇ります。

所在地と規模

全聚徳は北京に本店を置き、国内外に数多くの支店を展開しています。年商は約7億人民元で、毎年300万羽以上のアヒルを提供しています。国内の店舗はもちろん、海外にも進出しており、日本やオーストラリア、台湾などに支店を持っています。特に日本国内では、東京都内に銀座、新宿、六本木、丸ビルの4つの店舗があります。

歴史

全聚徳の歴史は1864年に遡ります。創業者の楊寿山が北京前門大街に店を構え、従来の「燜炉烤鴨」に代わって新たに「掛炉烤鴨」の焼き方を確立しました。清国から中華民国にかけて、全聚徳は北京ダックの名店として知られるようになりました。1952年に国有化され、その後文化大革命の影響で一時的に「北京烤鴨店」と改名されましたが、後に名称が戻され、現在に至っています。

2008年には北京オリンピックに合わせて店舗の再開発が行われ、本店は新たな姿で再オープンしました。現在は楊福来が支配人を務めており、その品質の高さを保ち続けています。

独自の調理法

全聚徳の北京ダックは、その調理方法に特にこだわりがあります。使用するアヒルは生後100日未満で、体重が2.5kg以上のものを選びます。食肉処理の際は、特定の手順に従って慎重に行われ、その後窯で焼き上げられます。この焼き方では、果樹の木を使用しており、特有の香りとともにジューシーな肉質が完成します。

食事の際、お客様には記念の葉書が渡されます。その葉書には、今回の食事に使用したアヒルの番号が記載されており、特別な体験を提供しています。

日本国内の展開

日本での展開としては、東京都内を中心にいくつかの店舗があります。また、三越銀座店でも販売が行われており、バー「Bar 夢幻」も運営しています。日本においても、その料理のクオリティは高く評価されています。

反日運動

間もなく2012年、尖閣諸島問題に関連して中国各地で反日デモが発生しました。新疆ウイグル自治区の全聚徳店舗では、日の丸が使用され、デモ参加者による不適切な行為が見られました。このような不祥事は、企業にとって大きな影響を及ぼしましたが、全聚徳自体は変わらず北京ダックの名店として名を馳せています。

全聚徳は、単なるレストランチェーンではなく、食文化の象徴とも言える存在であり、今後も多くの人々に支持され続けることでしょう。

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