全英映像等級審査機構

全英映像等級審査機構（BBFC）

全英映像等級審査機構（British Board of Film Classification、略称BBFC）は、イギリスにおいて映画やビデオ、コンピュータゲームの審査を行い、年齢に応じたレイティングを設定する組織です。この機関は、1913年に設立され、政府から独立した民間団体として活動を開始しました。

歴史背景

BBFCの前身は、1909年に制定された映画法に基づいて設立された「全英映画検閲機構」です。当初の役割は映画の内容を検閲し、公序良俗に反しないかどうかを判定することでした。しかし、1984年に「検閲よりも（等級）分類がより重要な業務になったため」との理由から、現在の名称に変更されました。この変更は、映像コンテンツの多様化を受けてのもので、視聴者が適切にコンテンツを選択できるようにすることを目的としています。

その後、映画だけでなくビデオソフトの審査も行うようになり、さらにコンピュータゲームも審査対象に加わりました。ただし、1994年以降、業界団体であるEntertainment and Leisure Software Publishers Association（ELSPA）が独自の基準を設けた結果、ゲームの審査はELSPAに委託されることになりました。2003年以降は、ELSPAの基準を引き継いだ汎欧州ゲーム情報（PEGI）に委託される形となっていますが、一部のゲームソフトにはBBFCのレイティングが記載されることもあります。

レイティング制度

BBFCは、各映像コンテンツに対して適切なレイティングを付与しています。主なレイティングには以下があります。

• - U (Universal): 全年齢対象です。
• - PG (Parental Guidance): 保護者同伴での視聴が推奨されます。
• - 12A (12 Accompanied/Advisory): 12歳以上推奨で、未成年者は保護者の指導が必要です。
• - 15: 15歳以上対象で、15歳未満の視聴は非推奨です。
• - 18: 18歳以上のみが視聴可能で、特にビデオソフトに関しては未成年者の入店が禁止された店舗でのみ販売されます。
• - R (Rejected): 審査を拒否された場合、該当作品はイギリス国内での上映や販売が禁止されます。

これらのレイティングは、視聴者が適切なコンテンツを選べるよう手助けするための仕組みです。

社会的影響

BBFCは、コンピュータゲームがプレイヤーやその保護者、さらにはゲームを全くプレイしない人々に与える影響を調査するための報告書も公開しています。これにより、映像コンテンツがどのように受け取られるかを理解し、より良い社会環境の形成を促進しています。

まとめ

全英映像等級審査機構（BBFC）は、イギリスにおける映像コンテンツの質と安全性を確保するための重要な役割を果たしています。映画やゲームの適切な分類を行うことで、視聴者が安心してコンテンツを楽しめる環境を提供しています。

もう一度検索