汎欧州ゲーム情報

汎欧州ゲーム情報（PEGI）について

汎欧州ゲーム情報、通称PEGIは、2003年に設立された機関であり、主にヨーロッパ内の29か国を対象にコンピュータゲームに関するレイティング審査を行っています。事務局はベルギー・ブリュッセルにある欧州インタラクティブ・ソフトウェア連盟（ISFE）内に設置されています。

組織の設立背景と審査基準

PEGIのレイティング制度は、1994年に発表されたイギリスのエンターテイメントおよびレジャーソフトウェア出版協会（ELSPA）による自主的な審査基準をベースにしています。この基準に従って、各ゲームにはパッケージの表面に対象年齢が表示されますが、販売の制限に関しては明確な規則は設けられていません。

パッケージの裏面には、9種類のアイコンが掲載されており、購入前にゲームの内容についての事前警告を行う仕組みとなっています。具体的には、以下のようなアイコンが採用されています：

• - 暴力表現
• - スラング（不適切な言葉遣い）
• - 恐怖
• - 性表現
• - 薬物濫用
• - 組織犯罪描写
• - 賭博
• - オンライン
• - ゲーム内課金（2018年追加）

また、各国の文化的背景や教育方針を配慮し、PEGIのレイティングには厳格な適用が行われていないため、国ごとに±1歳の範囲で年齢指定の調整が可能です。例えば、ポルトガルでは「3+」を「4+」に引き上げる一方、フィンランドは「12+」を「11+」に引き下げて使用することができます。

影響を与える出来事

PEGIのレイティングに関連して、特に注目されたのは2007年1月に欧州委員会（EC）が制定した未成年者のコンピュータゲームへの提供規制に関する統一指令です。この指令の成立は、ゲーム内容に対する暴力表現に対する批判が高まったことを受けてのものです。特に「RULE of ROSE」というゲームに対するイタリアの週刊誌での報道が引き金とされ、これがコンピュータゲームに対するレイティング基準の見直しにつながりました。

このように、PEGIの基準改定や運営体制には、一部の国の特異な文化的背景や法律が影響を与えています。特にドイツにおいては、独自の青少年保護法に基づき、USK（ソフトウェア事前審査機構）が倫理審査を担当しているため、EU圏内のゲームにはPEGIの表示に加えUSKのマークも併載されていることが多いです。

対象国と異なるレイティング機関

PEGIのレイティングはEU加盟国とEFTA加盟国をカバーしており、合計で31か国に及びます。ただし、イギリスでは、正式な根拠法を持つ全英映像等級審査機構（BBFC）が一部のゲーム審査を行っており、そのためPEGIの表示とBBFCの表示が混在することがあります。フィンランド、オーストリア、オランダにおいては、PEGIに法的な根拠が与えられています。

まとめ

PEGIは、EU圏内におけるコンピュータゲームの年齢レーティングのスタンダードとして、各国の文化的要素や教育方針を反映しながら運営されている重要な機関です。今後も文化や法律の変化に応じて、PEGIの基準や活動が影響を受けることが予想されます。

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