八だいの機関車

八だいの機関車（汽車のえほん12）

『八だいの機関車（汽車のえほん12）』は、ウィルバート・オードリー牧師による「汽車のえほん」シリーズの第12巻で、1957年にイギリスで初めて発行されました。このシリーズは、1945年以降、ほぼ毎年発行された低学年対象の絵本で、機関車たちの日常を描いた心温まる短編が特徴です。日本語版は1974年にポプラ社から刊行され、その後2004年に一時的に絶版となりましたが、2005年には『8だいの機関車』として新装再版され、2010年にはミニ新装版が販売されました。

収録短編作品

本巻には4つの魅力的な短編が含まれています。

1. とびこんだパーシー (Percy Takes the Plunge)
この物語では、元気な小さな機関車パーシーが水に飛び込み、さまざまな冒険を繰り広げます。

2. ゆうめいになったゴードン (Gordon Goes Foreign)
ゴードンが別の鉄道のターミナル駅について言い争う内容であり、イギリスの鉄道事情を題材にした興味深い話です。

3. ジェームスとトビーのじゅうれん (Double Header)
機関車ジェームスとトビーが力を合わせて冒険に挑む物語です。

4. ふとっちょの局長の機関車たち (The Fat Controller's Engines)
フットチョの局長がどのように機関車たちを支えているかに焦点を当てています。

登場キャラクター

本書には、以下のメインキャラクターが登場し、彼らの性格や個性が物語を豊かにしています。

• - トーマス
• - パーシー
• - トビー
• - ヘンリー
• - ゴードン
• - ジェームス
• - エドワード
• - ダック

サブキャラクターであるアニーとクララベル、ヘンリエッタ、ベアトリス、ジンティー、パッグは、本書のストーリーの中で重要な役割を果たします。特に、ゴードンがどの駅がロンドンの駅かについて議論する場面は、読者にとって興味深い設定です。

イラストとスタイル

本巻の挿絵は、前任者のダルビーからジョン・ケニーに交代したことで、特徴的なスタイルの変化を見せています。特に、無蓋車やタンク車、緩急車にも顔が描かれるようになったことは、物語にさらなる魅力を加えています。各機関車を通して友情や冒険、協力の大切さを感じられる内容になっているのも、読者へのメッセージとなっています。

結論

『八だいの機関車』は、低学年の児童向けに書かれた素朴で奥深い物語が魅力の絵本です。これを通じて、機関車たちの友情や冒険を楽しむことができると同時に、イギリスの鉄道文化についても僅かながら触れることができます。これからも長く愛され続ける本書は、読者にとっての貴重な一冊となるでしょう。

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