八ヶ岳南麓天文台

八ヶ岳南麓天文台は、山梨県北杜市大泉町に位置する、かつては一般公開されていた私設の天文台です。1985年12月に串田嘉男氏によって開設され、「八ヶ岳 星の村」という愛称で親しまれていました。国際[[天文学連合]]天文台コードは896として登録されています。

1993年からはFM電波を利用した流星観測を開始し、その観測結果を分析する中で、地震発生との間に何らかの関連性がある可能性を示唆する兆候を見出しました。この発見が、1995年の阪神・淡路大震災を機に、天文台のあり方を大きく変えるきっかけとなります。

震災後、天文台は一般公開を停止し、研究室を「地震前兆電離層観測研究センター」と改称しました。以来、この場所は「地震前兆検知公開実験」の本拠地として、地震予知研究のための重要な役割を担っています。

1996年まで一般公開されていた時期には、首都圏からのアクセスの良さも手伝い、多くの人々が訪れました。また、この天文台は、国内で初めて一つの天文台が複数の周期彗星を発見するという快挙を成し遂げ、その他にも多くの小惑星を発見するなど、天文学の分野においても顕著な業績を残しました。現在も、敷地内の観測所村では、所員による天体観測が継続されています。

所在地は山梨県北杜市大泉町谷戸字並木上8697-1で、JR小海線甲斐小泉駅から徒歩約20分の場所にあります。小海線の沿線に位置しており、列車内からもその存在を確認できます。

地震前兆観測研究の内容については、「串田嘉男」の項目を参照してください。

関連事項としては、小惑星「ZABADAK」が挙げられます。これは、この天文台での観測に由来する命名です。

外部リンクには、八ヶ岳南麓天文台地震前兆観測研究センターの公開実験参加者による「EPIO応援班」があります。ここでは、天文台の活動や研究に関する最新情報に触れることができます。

このように、八ヶ岳南麓天文台は、かつては天体観測の場として、その後は地震予知研究の拠点として、その役割を変えながらも、常に科学の進歩に貢献し続けている施設と言えるでしょう。天文学と地震学という、一見異なる分野を結びつけたその歴史は、非常に興味深いものです。

もう一度検索