八八式軽爆撃機

八八式軽爆撃機の概要

八八式軽爆撃機（はちはちしきけいばくげきき）は、日本陸軍が太平洋戦争前に採用した爆撃機であり、川崎航空機によって設計・製造されました。この機体は、八七式軽爆撃機の後継として、八八式偵察機を基にして爆撃機として改造されたもので、日中戦争の初期まで使用されました。

開発の背景

1928年（昭和3年）に日本陸軍は国産の八七式軽爆撃機を採用しましたが、この機体はその主要構造が木製骨格に羽布張りという古いものでした。このため、新しい後継機の開発が急務とされました。しかし、開発指示が出ていた新型軽爆撃機は不調に終わったため、既存の八八式偵察機の改造が計画されました。

川崎航空機に対して、八八式偵察機を爆撃機へと改造するよう指示が行われ、改造機が製作されました。その結果、初期テストで満足のいく性能を示し、1931年（昭和6年）5月に八八式軽爆撃機として制式採用されることになりました。

改造点と性能

八八式偵察機からの主な改造点には以下のようなものがあります：

• - 爆弾架の追加
• - 爆撃装置の追加
• - 主翼の強度増強
• - 胴体との接続部に支柱の追加

外見上は八八式偵察機二型とほとんど変わりはありませんが、これらの改造によって機体は重くなり、その結果として速度性能が低下しました。

1932年（昭和7年）から、八七式軽爆撃機に代わって部隊への配備が始まりました。この機体は八八式偵察機の優れた基本性能を継承し、実戦においても重宝されました。具体的には、満州事変や第一次上海事変、さらには日中戦争の初期から1938年（昭和13年）ごろまで前線で使用され続けました。しかし、爆撃機としてはやや鈍速である点が難点とされました。

八八式軽爆撃機は爆撃任務だけでなく、偵察や連絡業務にも利用され、第一線を退いた後は練習機としても重宝されました。生産は川崎だけでなく、石川島飛行機でも行われ、総生産数は407機に上りました。

諸元

• - 全長: 12.28m
• - 全幅: 15.2m
• - 全高: 3.38m
• - 主翼面積: 48.0m²
• - 自重: 1,850kg
• - 全備重量: 3,100kg
• - エンジン: 川崎 ベ式450馬力発動機（BMW-6）
• - 最大速度: 210km/h
• - 航続時間: 最大6時間
• - 武装: 7.7mm機関銃×2、爆弾200kg
• - 乗員: 2名

八八式軽爆撃機は、戦時中の日本陸軍において重要な役割を果たし、その設計と改造の歴史は当時の航空技術の進展を象徴しています。

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