八多町

八多町の概要

八多町（はたちょう）は、徳島県徳島市に属する町で、地域の多家良地区に位置しています。郵便番号は771-4266で、2010年の調査によると人口は985人、世帯数は364に達しています。八多町は、周囲に山林が広がる自然豊かな環境の中で、農業が盛んに行われ、多様な特産品が生産されています。

地理

八多町は徳島市の南部に位置し、北側には上八万町や渋野町、東には多家良町、西側には名東郡佐那河内村、南には勝浦郡勝浦町があります。この町の地形は主に山林で構成されており、八多川に沿った平地や斜面を利用した農業が行われています。特に、地域特産のミカン栽培は古くから行われており、その生産は大きな成果を上げてきました。しかし、近年では外国からの安価な果物の流入や生産過剰が影響し、価格が低下するなどの問題が発生しています。

農業と共にイチゴやシイタケの促成栽培、そして花卉（かき）の栽培も行われており、平地部では米作も行われています。公民館や八多保育所、さらには宮井小学校八多分校などの公共施設も平地部に位置し、住民の生活を支えています。

八多町には、地域の文化的魅力を反映する寺社が多く見られます。特に五王神社は重要な文化財を抱えており、その境内には犬飼農村舞台があり、毎年5月と11月には人形浄瑠璃が上演される伝統行事が行われています。

さらに、八多町の自然景勝地としては、八多五滝が有名です。ここには雌鴨、雄鴨、御来迎、布引、蔵王の5つの滝があり、それぞれが10メートルを超える崖から美しい流れを見せています。また、犬飼には胴掛け式の水車が現存し、最近ではハイキング目的で訪れる人々の姿も増えています。

歴史

八多町の歴史は深く、今から遡ること江戸時代には徳島藩領として八多村が存在していました。1889年に多家良村に合併され、その大字としての歴史が始まります。農作物は米麦が中心で、果樹栽培も盛んであり、特に明治末期から昭和初期にはミカンの栽培が拡大しました。しかし、戦時中の作付け制限により、他の作物に転換された歴史があります。戦後は再びミカンの生産が盛り返しました。

近代的な教育機関としては、1909年に宮井尋常小学校八多分教場が設立され、そこから小学校教育が普及していきました。1952年には現在の町名が付けられ、以降、町の発展が続いています。

文化

八多町では五王神社の秋祭りにおいて人形浄瑠璃芝居が行われ、地域文化を支える活動が続いています。1950年代からは後継者不足により一時休止状態となったものの、1975年からは再度上演が行われ、1999年には国の重要無形民俗文化財に指定されています。また、犬飼農村舞台も重要な有形民俗文化財として認められ、地域の伝統芸能の保持に寄与しています。

まとめ

八多町は自然環境に恵まれた場所であり、農業を基盤に独特の文化を有しています。この町の人々は過去の伝統を大切にしながら、地域の発展に努めています。観光客にとっても魅惑のスポットであり、訪れることで地域の魅力を体感できる場所です。

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