八束郡

八束郡（やつかぐん）

八束郡は、かつて島根県に存在した郡です。その領域は、現在の松江市の大部分、出雲市の一部、そして安来市の一部に広がっていました。

歴史

八束郡は、明治29年（1896年）4月1日に郡制の施行により、島根郡・秋鹿郡・意宇郡の区域を統合して誕生しました。郡役所は松江市殿町に設置され、40の村を擁していました。

発足時の郡域

旧島根郡 (16村): 法吉村、生馬村、講武村、御津村、大芦村、加賀村、野波村、千酌村、片江村、美保関村、森山村、本庄村、持田村、東川津村、西川津村、朝酌村
旧秋鹿郡 (8村): 伊野村、大野村、秋鹿村、古志村、古曽志村、長江村、佐太村、恵曇村
旧意宇郡 (16村): 竹矢村、出雲郷村、揖屋村、意東村、岩坂村、熊野村、大庭村、津田村、乃木村、忌部村、玉造村、湯町村、来待村、宍道村、波入村、二子村

明治時代

明治36年（1903年）4月1日 - 東川津村と西川津村が合併し、川津村が発足しました。
明治38年（1905年）4月1日 - 玉造村と湯町村が合併し、玉湯村が発足しました。
明治41年（1908年）5月1日 - 古志村、古曽志村、長江村が合併し、古江村が発足しました。

大正時代

大正12年（1923年）4月1日 - 郡会が廃止されましたが、郡役所は存続しました。
大正13年（1924年）1月1日 - 美保関村が町制を施行し、美保関町となりました。
大正15年（1926年）7月1日 - 郡役所が廃止され、以降は地域区分名称として扱われるようになりました。

昭和時代

昭和2年（1927年）11月1日 - 宍道村が町制を施行し、宍道町となりました。
昭和4年（1929年）1月1日 - 波入村と二子村が合併し、八束村が発足しました。
昭和9年（1934年）12月1日 - 津田村が松江市に編入されました。
昭和10年（1935年）1月1日 - 揖屋村が町制を施行し、揖屋町となりました。
昭和14年（1939年）2月11日 - 川津村が松江市に編入されました。
昭和14年（1939年）11月1日 - 朝酌村が松江市に編入されました。
昭和22年（1947年）12月28日 - 恵曇村が町制を施行し、恵曇町となりました。
昭和23年（1948年）6月15日 - 意東村の一部が能義郡荒島村に編入されました。
昭和23年（1948年）10月10日 - 法吉村が松江市に編入されました。
昭和25年（1950年）9月21日 - 竹矢村と乃木村が松江市に編入されました。
昭和26年（1951年）4月1日 - 岩坂村、熊野村および大庭村の一部が合併して八雲村が発足。忌部村および大庭村の残部が松江市に編入されました。
昭和28年（1953年）4月1日 - 生馬村と持田村が松江市に編入されました。
昭和29年（1954年）4月1日 - 揖屋町、出雲郷村、意東村が合併して東出雲町が発足しました。
昭和30年（1955年）3月10日 - 本庄村と古江村が松江市に編入されました。
昭和30年（1955年）4月3日 - 来待村と宍道町が合併し、改めて宍道町が発足しました。
昭和30年（1955年）4月13日 - 千酌村、片江村、美保関町、森山村が合併し、改めて美保関町が発足しました。
昭和31年（1956年）1月10日 - 大芦村、加賀村、野波村が合併して島根村が発足しました。
昭和31年（1956年）3月3日 - 恵曇町、講武村、御津村、佐太村が合併して鹿島町が発足しました。
昭和34年（1959年）1月1日 - 玉湯村が町制を施行し、玉湯町となりました。
昭和35年（1960年）4月1日 - 伊野村が平田市に編入されました。
昭和35年（1960年）8月1日 - 大野村と秋鹿村が松江市に編入されました。
昭和44年（1969年）4月1日 - 島根村が町制を施行し、島根町となりました。
昭和45年（1970年）4月1日 - 八束村が町制を施行し、八束町となりました。

平成時代

平成17年（2005年）3月31日 - 鹿島町、島根町、美保関町、八雲村、玉湯町、宍道町、八束町が松江市と合併し、改めて松江市が発足、郡から離脱しました。
平成23年（2011年）8月1日 - 東出雲町が松江市に編入され、同日をもって八束郡は消滅しました。

八束郡は、その歴史の中で周辺自治体との合併を繰り返し、最終的には松江市に編入される形で姿を消しました。しかし、その名は地域の歴史を語る上で重要な役割を果たしています。

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