八条駅

八条駅：近鉄京都線の幻の駅

京都府京都市南区（かつては下京区）にあった八条駅は、近畿日本鉄道京都線（旧・奈良電気鉄道線）の駅として、昭和3年（1928年）11月15日に開業しました。東海道本線に沿って走り、大和西大寺方面へ向かう列車の進行方向が変わる地点に位置していた、近鉄京都線における小さな駅でした。しかし、昭和20年（1945年）5月20日に営業休止、そして昭和21年（1946年）10月1日に廃止という短い歴史に幕を閉じました。

駅の立地と利用状況

八条駅は、京都駅と東寺駅のほぼ中間に位置し、両駅間は約400～500メートルしか離れていませんでした。そのため、利用客は比較的少なく、主に近隣の住民の通勤・通学利用が中心だったようです。京都駅や東寺駅といった主要駅が近接していたことが、八条駅の利用率低下の大きな要因となったと考えられます。結果的に、不要不急の駅として廃止されることとなりました。

駅名の由来

駅名の由来は、駅近くに位置する八条通にちなんでいます。古くから続く主要な道路である八条通は、その名前を駅にも与え、地域のランドマークとしての役割も担っていました。

歴史

• - 昭和3年(1928年)11月15日: 奈良電気鉄道京都-桃山御陵前間が開通した際に、八条駅が開業しました。
• - 昭和20年(1945年)5月20日: 戦時下の影響により、営業休止となります。
• - 昭和21年(1946年)10月1日: 利用客の減少や戦後の混乱などを背景に、正式に廃止されました。

駅周辺

八条駅の最寄りバス停は、京都市営バス「八条油小路」停留所（16号系統）でした。京都駅や東寺駅からのバス路線を利用することで、八条駅周辺へのアクセスが可能でした。京都駅発着のバス路線については「京都駅#バスターミナル」、東寺駅発着のバス路線については「東寺駅#バス路線」を参照ください。

隣の駅

まとめ

八条駅は、その短い歴史の中で、多くの人の足として機能していましたが、近隣に主要駅が存在した事や、戦後の社会情勢の変化により、廃止という運命を辿りました。現在では廃駅となっていますが、かつてこの場所に存在した駅の歴史を知ることで、地域の変遷の一端を垣間見ることができるでしょう。 現在、その面影を探すことは困難ですが、当時の写真や記録から、八条駅の存在を偲ぶことができます。

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