近鉄京都線

近畿日本鉄道京都線：古都を繋ぐ鉄路

近畿日本鉄道（近鉄）京都線は、京都府京都市下京区の京都駅から奈良県奈良市の大和西大寺駅までを結ぶ、近鉄を代表する路線の一つです。路線記号はBで、橿原線と一体で駅ナンバリングされています。国際観光都市である京都と奈良を繋ぐだけでなく、沿線の住宅地や関西文化学術研究都市へのアクセス路線としても重要な役割を担い、多くの通勤・通学者、観光客に利用されています。

充実したアクセスと観光の要衝

大和西大寺駅は、近鉄京都線、奈良線、橿原線が乗り入れる主要なターミナル駅です。多くの列車がここから近鉄奈良線経由で近鉄奈良駅へ、または橿原線経由で天理方面や、大和八木駅から大阪線に直通して伊勢志摩方面へと向かいます。さらに、京都線は京都市営地下鉄烏丸線と国際会館駅まで直通運転しており、乗り換えなしで広範囲へのアクセスが可能です。京都、滋賀、北陸、東海道・山陽新幹線沿線から奈良や三重県中部（伊勢志摩地方）への観光ルートとしても機能しています。京田辺市の新田辺駅以南では、関西文化学術研究都市の開発に伴い、宅地開発が盛んに進められています。

JR西日本のJR奈良線も京都駅～奈良駅間で快速列車を運行していますが、一部単線区間が残るJR奈良線に対し、近鉄京都線は運転本数などの点で優位性を保っています。ただし、ジャパンレールパスが近鉄では利用できないため、外国人観光客はJRを利用するケースも多いです。新田辺駅～新祝園駅間ではJR西日本の片町線（学研都市線）とも、京都駅～桃山御陵前駅間ではJR奈良線・東福寺駅・京阪本線ルートとも並行しています。

全線でPiTaPa、ICOCA、Suicaなどの全国相互利用カードが利用可能です。

路線データ

路線距離（営業キロ）： 34.6 km
軌間： 1435 mm
駅数： 26駅（起終点駅含む）
複線区間： 全線
電化区間： 全線電化（直流1500V）
閉塞方式： 自動閉塞式
最高速度： 105 km/h
管轄： 大阪統括部（旧上本町営業局）

沿線風景

京都駅～新田辺駅間: 京都駅は東海道新幹線ホーム真下の2階に位置し、4面4線の規模を誇ります。東寺駅までは高架線を走行し、東寺の五重塔を望むことができます。竹田駅は京都市営地下鉄烏丸線との共同使用駅です。伏見駅付近からは伏見桃山城を遠望し、京阪本線と接続する近鉄丹波橋駅へと至ります。かつては京阪本線との直通運転も行われていました。桃山御陵前駅周辺は地下水が豊富で、日本酒の醸造が盛んな地域です。澱川橋梁を渡り、宇治市、小倉駅を経て、陸上自衛隊大久保駐屯地が見える大久保駅に到着します。木津川橋梁を渡ると新田辺車庫が見えてきます。新田辺駅までは普通列車や準急の一部が運行されています。

新田辺駅～大和西大寺駅間: この区間では、日中は急行の運転本数の方が多いです。新田辺駅を出発すると、JR片町線と並走し、同志社大学京田辺キャンパス最寄りの興戸駅、高架駅となった三山木駅などを経て、関西文化学術研究都市の最寄り駅である新祝園駅に到着します。京都府内最後の駅である山田川駅を過ぎると奈良県に入り、高の原駅、平城駅を経て、大和西大寺駅に到着します。多くの列車は近鉄奈良駅、橿原神宮前駅方面に直通します。

運行形態

特急、急行、準急、普通が運行されています。急行と一部の普通列車は竹田駅から京都市営地下鉄烏丸線に乗り入れています。

運転本数: 昼間時は、区間や種別によって1時間あたり3～6本の運行です。20分ヘッドを基本としていますが、15分ヘッドも混在する複雑なダイヤとなっています。

特急: 京都～近鉄奈良駅・橿原神宮前駅間を中心に、1時間に3～4本運行されています。賢島駅、大阪難波駅への直通特急もあります。京都線内では丹波橋駅、大和西大寺駅に停車し、高の原駅にも停車する列車が多いです。

急行: 特急停車駅に加え、主要駅にも停車する近鉄京都線の一般速達種別です。奈良線、橿原線への直通運転もあり、地下鉄烏丸線国際会館駅～近鉄奈良駅間を直通する急行も運転されています。

準急: 新田辺駅～京都駅間を運行し、近鉄丹波橋駅～京都駅間は急行とほぼ同じ停車駅です。

普通: 各駅に停車します。京都～新田辺駅・大和西大寺駅・橿原神宮前駅間などを運行しています。

歴史

奈良電気鉄道により、京都と奈良を結ぶ目的で開業しました。京都駅～近鉄丹波橋駅間は国鉄奈良線の旧線跡を利用しています。戦後から1968年までは京阪本線との直通運転も行っていました。1963年に近鉄に合併し、京都線となりました。ルート選定や京都駅計画変更など、多くの困難を乗り越えて現在の路線が築かれています。

その他

車内自動放送、駅案内設備、車両、過去の運行形態、臨時運転、大晦日終夜運転、駅一覧、かつて存在した駅、車両基地、橋梁、駅内店舗、主要駅の乗降客数など、詳細な情報は、本文に記載されています。今後の予定として、大和西大寺駅の高架化・移設や新型車両導入が計画されています。

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