八重山 (通報艦)

八重山艦（やえやま）の概要

八重山（やえやま）は、日本海軍が初めて国内で建造した通報艦です。この艦名は沖縄県の八重山群島に由来しています。設計はベルタンによって行われ、1889年に横須賀で進水しました。八重山は、機関をフランスから輸入しながらも、当時の水準で20ノットという速力を誇り、優れた性能を持つ艦船として知られています。日清戦争や日露戦争に従軍し、軍艦としての役割を全うした後、1911年に除籍されました。

艦の設計と機関

八重山の機関はイギリスのホーソン・レスリー社で製造され、蒸気ボイラーは低円缶を6基搭載していました。ボイラーの真鍮製は長さ18フィート、直径は約8フィートで、圧力は150psiに達しました。また、主機関は横置3気筒3段膨張レシプロ2基で、日本海軍初の3段膨張型機械の一つです。復水器や発電機なども装備され、艦の運用に必要な設備が整えられていました。

公試運転と艦型の変更

1890年に行われた公試運転では、計画出力に達しなかったものの、条件が揃えば出力を達成できると判断されました。その後、艦の老朽化が進む中で、1901年にはボイラーの換装を実施し、フランスから購入したニクロース式水管缶を装備し蒸気圧力を185psiに上昇させました。

兵装の変遷と艦歴

八重山は艦歴の中で幾度かの兵装の見直しを受けました。1897年には、12センチ速射砲や軽速射砲が装備され、1903年には砲熕兵装の更新が行われました。また、日清戦争や日露戦争においては、実際に戦闘に参加し、重要な任務を遂行しました。

1887年に起工された八重山は、1889年に進水し、翌年に艦長へ引き渡されました。これにより、日本海軍の中で重要な役割を果たすことになりました。日清戦争では、おもに韓国での作戦支援に従事し、その後も様々な任務に参加しました。特にオスマン帝国の救援活動や、国際的な事件への対応など、多様な場面でその存在感を示しました。

除籍とその後

1911年に八重山は除籍され、海軍の艦艇類別表から削除されました。その後、1912年に売却処分され、その歴史に幕を下ろしました。八重山は、その名を通じて日本海軍における重要な艦船としての役割を果たし、多くの戦歴を持つ艦であることから、今もなお多くの人に記憶されています。

八重山は、単なる艦船以上の存在であり、日本の海軍史に名を刻むことになりました。今後もその歴史や設計、性能について追いかけていくことで、さらに理解を深めることができるでしょう。

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