八重山村

八重山村とは

八重山村は、1908年（明治41年）に島嶼町村制の施行に伴い、沖縄県の八重山諸島全域を一つの自治体として成立した村です。しかし、広大な範囲に多数の島々が点在していたため、運輸・交通が非常に不便であり、わずか6年後の1914年（大正3年）に、石垣、大浜、竹富、与那国の4つの村に分割され、消滅しました。村役場は石垣島に置かれていました。

八重山村成立以前の行政区画

八重山村が成立する以前、八重山地域は、石垣、大浜、宮良の3つの間切と、与那国島の4つの主要な区画に分かれていました。

石垣間切: 石垣島の西部、西表島の南東部、竹富島、黒島、新城島を管轄していました。具体的には、石垣、名蔵、新川、崎枝、川平、桴海、南風見、仲間が含まれていました。
大浜間切: 石垣島の中部、西表島の西部、波照間島を管轄していました。具体的には、登野城、大川、大浜、真栄里、平得、上原、西表、崎山が含まれていました。
宮良間切: 石垣島の東部、西表島の北東部、小浜島、鳩間島を管轄していました。具体的には、宮良、白保、桃里、伊原間、野底、平久保、古見、高那が含まれていました。
与那国島: 与那国島は、独立した区画として存在していました。

八重山村の分割とその後

八重山村は、その広大な面積と交通の不便さから、1913年に分村の要望が沖縄県知事に提出され、1914年4月1日に以下の4つの村に分割されました。

石垣村: 石垣島の西部を管轄し、石垣、新川、名蔵、崎枝、川平、桴海、大川、登野城を含んでいました。その後、1926年に町に昇格して石垣町となり、1947年には市制を施行して石垣市となりました。さらに1964年には大浜町と合併し、現在の石垣市となっています。
大浜村: 石垣島の東部を管轄し、平久保、伊原間、野底、桃里、白保、盛山、宮良、大浜、真栄里、平得を含んでいました。1947年に町に昇格して大浜町となりましたが、1964年に石垣市に編入合併されました。
竹富村: 西表島、竹富島、小浜島、黒島、新城島、鳩間島、波照間島を管轄していました。1948年に町に昇格して竹富町となりました。
与那国村: 与那国島を管轄し、1948年に町に昇格して与那国町となりました。

現在の八重山地域

1948年に与那国村が町制を施行したことで、八重山地域から「村」は消滅しました。1964年に石垣市が大浜町を編入合併して以降、石垣市、竹富町、与那国町の3市町体制が続いています。

近年、平成の大合併において、八重山地域を一つの市にする構想があり、3市町で合併協議会が設置されました。しかし、まず与那国町が脱退し、石垣市と竹富町の2市町での合併が進められましたが、竹富町議会の同意が得られず、最終的に合併は白紙となりました。

現在、竹富町の役場は町内ではなく、石垣市に置かれており、町内の各島を巡回する際にも石垣島を経由する必要があります。将来的には西表島への役場移転が計画されていますが、鳩間島を除き、各島から西表島へ移動する際にも石垣島を経由する必要があり、不便さが残ります。2市町の合併協議は凍結状態ですが、今後再び合併の動きが表面化する可能性は十分に考えられます。

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