公人

公人とは

公人とは、一般的に公務員や議員など、公務に携わっている人のことを指します。しかし、「公人」という言葉に関する明確な定義は、法律や判例で確立されているわけではありません。

公人の定義

公人について直接言及した法令は存在せず、裁判所の判決などにおいても明確な定義が示されていません。そのため、公人の範囲は状況によって異なり、曖昧な部分があります。

公務員が公人とみなされる場合

公務員は、一般的には公人として扱われます。特に、以下の条件に当てはまる場合は、公人性が高いと判断される傾向があります。

職位が高い場合:
例：知事、市長、国会議員、大臣、地方自治体の幹部職員など
理由：これらの高位の公務員は、政策決定や行政執行において重要な役割を担っており、社会的な関心も高いため、公人として扱われることが一般的です。

公人は社会に与える影響が大きいため、プライバシーの保護は、一般の私人ほど強くはありません。公人の私生活であっても、社会全体の利益に関わる場合には、報道されることがあります。

準公人・みなし公人

公人以外にも、社会的な影響力を持つ人物は「準公人」または「みなし公人」と呼ばれることがあります。例えば、経済界の有力者や、著名な芸能人などが該当します。

1981年の最高裁判所の判決（月刊ペン事件）では、私人であっても社会的に一定の影響力を持つ者に対する批判は、事実の公共性を持つことがあると判断されました。この判例が、準公人・みなし公人という概念の根拠となっています。

写真週刊誌などで芸能人やその家族の私生活が報道されるのも、この理論に基づいています。芸能人は、その活動を通じて社会に大きな影響を与えるため、プライバシーの一部が制限されることがあるのです。

まとめ

公人とは、公務に携わる者、または社会的な影響力を持つ者を指します。公人の定義は明確ではありませんが、社会的な責任と影響力の大きさから、プライバシーの保護が一般の私人よりも制限されることがあります。準公人・みなし公人という概念も、社会的な影響力を考慮する上で重要な要素となります。

参考文献

板倉陽一郎「インターネット上における「意図せぬ公人化」を巡る問題（ポスターセッション）」『情報処理学会研究報告. EIP, [電子化知的財産・社会基盤]』第2006巻第128号、一般社団法人情報処理学会、2006年。

関連項目

民間人
Orden wider den tierischen Ernst（生真面目さとの闘いメダル）: アーヘンのカーニバル団体から、ウィットに富んだ面白い対応をした公人へ送られる賞。

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