公共 (科目)

公共と現代社会

高等学校の公民科に属する科目である「公共」と、かつて存在した「現代社会」について解説します。

公共

「公共」は、高等学校における公民科の必修科目で、2022年度入学生から導入されました。この科目は、生徒が社会の一員として自立し、より良い社会の形成に積極的に参加するために必要な知識や能力を育成することを目的としています。

学習内容

2018年告示の学習指導要領に基づき、以下の内容を学びます。

公共の扉: 公共的な空間を形成する私たち自身の役割を理解します。
公共的な空間における人間としての在り方生き方: 公共的な空間における自己の在り方や他者との関わり方を考えます。
公共的な空間における基本的原理: 公共的な空間を維持するための基本的な原理を理解します。
自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち: 社会の一員としての自覚を持ち、より良い社会を築くための主体的な行動を促します。
法に関わる事項: 法や規範の意義と役割、契約と消費者の権利、司法参加の意義について学びます。
政治に関わる事項: 政治参加と公正な世論形成、地方自治、主権・領土、安全保障、国際社会における日本の役割について学びます。
経済に関わる事項: 職業選択、雇用と労働問題、財政と租税、少子高齢化と社会保障、市場[[経済]]、金融、経済のグローバル化について学びます。
持続可能な社会づくりの主体となる私たち: 持続可能な社会を築くために必要な知識と行動について学びます。

より詳しい内容については、高等学校公共 (Wikibooks) を参照してください。

現代社会

「現代社会」は、1982年度入学生から2021年度入学生まで実施されていた科目です。この科目は、現代社会の複雑な構造や課題を理解し、主体的に行動できる社会人を育成することを目的としていました。

学習内容の変遷

「現代社会」は、学習指導要領の改訂ごとに学習内容が変化してきました。

2013年度 - 2021年度

2009年告示の学習指導要領に基づき、以下の内容を学びました。

私たちの生きる社会: 現代社会の構造と特徴を理解します。
現代社会と人間としての在り方生き方: 現代社会における自己の在り方や他者との関わり方を考えます。
青年期と自己の形成: 青年期の課題と自己の形成について学びます。
現代の民主政治と政治参加の意義: 民主政治の原理と政治参加の重要性を理解します。
個人の尊重と法の支配: 個人の尊重と法の支配の意義について学びます。
現代の経済社会と経済活動の在り方: 現代経済の仕組みと経済活動の在り方を理解します。
国際社会の動向と日本の果たすべき役割: 国際社会の動向と日本が果たすべき役割について学びます。
共に生きる社会を目指して: 多様な人々が共に生きる社会について考えます。

より詳しい内容については、高等学校現代社会 (Wikibooks) を参照してください。

2003年度 - 2012年度

1999年告示の学習指導要領に基づき、以下の内容を学びました。

現代に生きる私たちの課題: 現代社会の課題を理解します。
現代社会と人間としての在り方生き方: 現代社会における自己の在り方や他者との関わり方を考えます。
現代の社会生活と青年: 現代社会における青年の役割と課題について学びます。
現代の経済社会と経済活動の在り方: 現代経済の仕組みと経済活動の在り方を理解します。
現代の民主政治と民主社会の倫理: 民主政治の原理と民主社会における倫理について学びます。
国際社会の動向と日本の果たすべき役割: 国際社会の動向と日本が果たすべき役割について学びます。

1994年度 - 2002年度

1989年告示の学習指導要領に基づき、以下の内容を学びました。

現代社会における人間と文化: 現代社会における人間と文化の関係について学びます。
風土と生活: 日本の風土と生活について学びます。
日本の生活文化と伝統: 日本の伝統文化について学びます。
現代社会の特質と青年期の課題: 現代社会の課題と青年期の課題について学びます。
環境と人間生活: 環境と人間生活の関係について学びます。
環境と生活: 環境問題と生活について学びます。
環境保全と倫理: 環境保全と倫理について学びます。
現代の政治・経済と人間: 現代政治と経済の仕組みを理解します。
地域社会の変化と住民の生活: 地域社会の変化と住民の生活について学びます。
国民福祉と政府の経済活動: 国民福祉と政府の経済活動について学びます。
日本国憲法と民主政治: 日本国憲法の基本原則と民主政治について学びます。
民主社会の倫理: 民主社会における倫理について学びます。
国際社会と人類の課題: 国際社会の課題と人類の課題について学びます。
国際政治の変化: 国際政治の変化について学びます。
国際経済の動向と国際協力: 国際経済の動向と国際協力について学びます。
人類の課題: 人類が抱える課題について学びます。

1982年度 - 1993年度

1978年告示の学習指導要領に基づき、以下の内容を学びました。

現代社会の基本的な問題: 現代社会の基本的な問題を理解します。
現代と人間: 現代社会における人間について学びます。
現代社会の成り立ちと人間生活: 現代社会の成り立ちと人間生活について学びます。
人類と環境: 人類と環境の関係について学びます。
人口問題と資源・エネルギー: 人口問題と資源・エネルギー問題について学びます。
現代の経済社会と国民福祉: 現代経済の仕組みと国民福祉について学びます。
科学技術の発達と現代の経済生活: 科学技術の発達と現代経済の関係について学びます。
日本経済の特質と国際化: 日本経済の特質と国際化について学びます。
経済の調和のある発展と福祉の実現: 経済の発展と福祉の実現について学びます。
現代の民主政治と国際社会: 現代民主政治と国際社会について学びます。
日本国憲法の基本的原則と国民生活: 日本国憲法の基本原則と国民生活について学びます。
現代国家と民主政治: 現代国家と民主政治について学びます。
国際平和と人類の福祉: 国際平和と人類の福祉について学びます。
現代社会と人間の生き方: 現代社会における人間の生き方について学びます。
人間生活における文化: 人間生活における文化について学びます。
世界の諸地域の文化と文化交流: 世界の文化と文化交流について学びます。
日本の生活文化と伝統: 日本の伝統文化について学びます。
現代の文化: 現代文化について学びます。
青年と自己探究: 青年期の課題と自己探求について学びます。
現代の青年の心理的・社会的諸問題: 現代の青年が抱える心理的・社会的諸問題について学びます。
適応と個性の形成: 社会への適応と個性の形成について学びます。
現代に生きる倫理: 現代社会における倫理について学びます。
真理を求めて思索することの意義: 真理を追求する意義について学びます。
よく生きることと生きがいの追求: より良く生きることと生きがいについて学びます。
民主社会の倫理: 民主社会における倫理について学びます。

科目の歴史

1960年に「政治・経済」が初めて必修科目として設置され、その後1982年に「現代社会」が新設されました。1994年には社会科が地理歴史と公民に再編され、「現代社会」は公民科に属する科目となりました。2022年からは「現代社会」が廃止され、新たに「公共」が必修科目として導入されました。

関連項目

社会
公民
政治・経済
* 倫理

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