公共政策修士（専門職）

公共政策修士（専門職）（Master of Public Policy：MPP）は、公共政策の専門知識と実践能力を育成する専門職学位です。主に公共政策大学院や専門職大学院の公共政策関連専攻を修了した者に授与されます。この学位は、政府機関、非営利団体、民間企業など、公共政策に関わる多様な分野で活躍できる人材を育成することを目的としています。

公共政策修士（専門職）は、公共政策に関する理論的な知識だけでなく、政策立案、分析、評価などの実践的なスキルも習得できるカリキュラムが組まれています。具体的には、経済学、政治学、法学、社会学などの学問分野を基礎として、政策過程、行政組織、財政、環境、社会保障、国際関係など、幅広い分野の専門知識を学びます。

また、ケーススタディやグループワーク、インターンシップなどを通じて、現実の政策課題に対する実践的な解決能力を養うことも重視されています。さらに、高度な専門知識と分析能力を駆使し、政策立案や提言を行う能力を育成するため、研究論文の作成やプレゼンテーションの機会も設けられています。

ただし、日本においては、各大学・大学院が独自に学位名称を定めることができるため、公共政策修士（専門職）という名称以外にも、公共政策学修士（専門職）や公共法政策修士（専門職）など、類似の名称が用いられている場合があります。例えば、東京大学大学院公共政策学教育部公共政策学専攻では「公共政策学修士（専門職）」、東北大学大学院法学研究科公共法政策専攻では「公共法政策修士（専門職）」という学位名称を採用しています。また、京都大学大学院公共政策教育部公共政策専攻と明治大学専門職大学院ガバナンス研究科ガバナンス専攻では、「公共政策修士（専門職）」の学位が授与されます。

なお、公共政策修士（専門職）と類似する学位として、公共経営修士（専門職）（Master of Public Management: MPM）があります。早稲田大学大学院政治学研究科公共経営専攻では公共経営修士（専門職）が授与されますが、これはMPPとは異なるMPMという英訳があてられていることからもわかるように、公共経営という独自の理念に基づく教育体系の下で研究指導が行われています。したがって、両者は別個の概念として扱われます。

公共政策修士（専門職）は、公共政策の分野で活躍する専門家を育成するための重要な学位であり、社会の発展に大きく貢献することが期待されています。

関連情報
専門職大学院
公共政策大学院
専門職学位
公共経営修士（専門職）

参照文献
* 専門職大学院一覧（平成27年7月現在） - 文部科学省

もう一度検索