公式記録員 (野球)

公式記録員の役割と重要性

公式記録員は、野球における重要な職務を担う役割であり、試合中の記録を正確にとることが求められます。この職位は日本プロ野球（NPB）において公式に制度化され、コミッショナーによって任命されるオフィシャルスコアラーとも呼ばれます。

役割の定義

公式記録員は、公認野球規則の中でその権限が明確に示されています。具体的には、試合の進行中に起こるプレイについての判断、打者が一塁に到達した経緯（安打、失策、または野手選択など）の決定を行う権能を持ちます。この判断は独自の裁量に基づくものであり、安打や失策のアナウンスは、手信号やその他の方法を使って他の関係者に伝達されます。

記録員は、規則に反するような記録を行うことや、審判員の判断に対抗するような決定を下すことは許されていません。加えて、打順の誤りに気づいても、それを報告することはできません。ただし、互いに関連する重要な状況が発生した場合、審判員に対して助言を行うことが認められています。

定職としての位置づけ

NPBでは、公式記録員は2009年までセ・リーグとパ・リーグのそれぞれに分かれていましたが、経費削減のために2010年から一つの部門に統一され、NPB記録部として機能しています。公式記録員は基本的にサラリーマンとして雇用され、厳格な契約に基づいて業務を行っています。

試合は、メインの記録員1名とサブの記録員1名の二人で担当されます。メイン記録員は、試合開始前に審判と共に場内アナウンスされ、公式スコアの記入とプレイのジャッジを行います。その役割は、試合内容を詳細に記録することに加え、試合中の各種記録のアナウンスも含まれます。

一方サブの記録員は、NPBの公式データベースに直接データ入力を行い、記者席や関係者にコピーを配布する業務を担っています。このデータは、NPBの公式ウェブサイトや各種メディアに必要とされる速報情報として配信される重要な役割を果たしています。二軍の試合の場合は、1名の公式記録員が全ての業務を担当します。

シーズンオフの活動

シーズンオフ中でも、公式記録員は業務を続けます。審判員がシーズンオフになるのとは対照的に、記録員はNPBの各種資料の編集や校正、記録整理などを行います。このため、公式記録員は試合の結果を記録するにとどまらず、シーズンを通じての重要な業務を担っているのです。

歴代の公式記録員

日本プロ野球の歴史の中で、公式記録員として多くの功績を残した人々がいます。たとえば、1937年に初の記録員として選任された広瀬謙三氏、1942年に就任した山内以九士氏などが挙げられます。前者はNPB初の公式記録員として知られ、後者はパ・リーグの記録部長を務めた重要な人物です。また、柳原基氏は3585試合に出場した記録員最多記録保持者でもあり、記録員の中で大きな影響を与えました。

公式記録員は、ただの記録を行う仕事ではなく、野球というスポーツの公正性を守り、データの信頼性を担保する非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。

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