失策

失策について

失策とは、野球やクリケットなどのスポーツにおける守備の過失を指します。具体的には、守備を担当している選手が打者や走者をアウトにするはずのプレイに失敗したために、打者の打撃機会を延ばしたり、走者の進塁を許すことが含まれます。このようなミスは「エラー」とも呼ばれますが、特定のプレイが失策に該当するかどうかは公式記録員の判断に委ねられています。そのため、単に失策数の多さだけでは選手の守備力を正確に評価することは難しいのです。

広い守備範囲を持つ選手は、多くの打球に対して積極的に捕球しようと試みるため、結果的に失策数が増えることがあります。一方で、守備の技術が劣る選手であっても、守備範囲が狭くあまり積極的にプレーしなければ、失策数が少ない場合もあります。このように、失策の数だけでは選手の守備の巧さを判断することはできません。

日本の高校野球では、両チームが失策を記録しない試合、つまり「無失策試合」が珍しい結果として残されていますが、プロ野球では失策が頻繁に見られるためあまり記録されることはありません。

失策が記録される主なプレイの例

失策が記録される場面にはいくつかのケースがあります。例えば、野手が普通のプレイでアウトが取れるはずの打者や走者をミスによりアウトにできなかった場合や、余分な進塁を許した場合が該当します。加えて、以下のようなプレイも失策として記録されます：

• - ボールを落とす、または弾いてしまう
• - 送球コースが捕球できないものであった場合（悪送球）
• - 捕球可能なボールを逃してしまい進塁を許した場合
• - 簡単に捕球できるファウルフライを落球した場合
• - インフィールドフライを直接捕球せず、走者の進塁を許した場合
• - アウトになるはずの走者を生かしてしまった場合
• - 野手による妨害プレイの結果、失策が記録されることもあります。

一方で、失策が記録されないケースもあります。例えば、複数の野手が譲り合って飛球を捕球できなかった場合や、飛球のイレギュラーによって捕球が難しかった場合などです。また、捕手からの送球が逸れることがあっても、特定の条件下では失策が記録されないこともあります。

失策と自責点の関係

失策が投手の自責点に影響を与えることがあります。具体的には、失策によってアウトを逃した走者が得点した場合、投手には失点は記録されるものの自責点はカウントされません。さらに、イニングの途中で投手が交代した際には、後任の投手についてアウトの機会が再計算されるため、自責点や失点の扱いにも二重の視点が必要です。

失策に関する記録

過去の記録を振り返ると、野球界には多くの失策にまつわるデータがあります。例えば、日本のプロ野球では、白石勝巳選手が646の失策を記録し、シーズン最多は柳鶴震選手の75、1試合最多は木塚忠助選手の6という数字があります。メジャーリーグでは、ハーマン・ロングが1096の失策を残しており、これらの記録は長年にわたる努力やプレイの歴史を反映したものです。

このような失策は単なる数字の記録だけでなく、選手のプレースタイルやチームの特性を知る手がかりともなるため、野球において重要な要素の一つです。

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