公立図書館

公立図書館とは

公立図書館は、都道府県や市町村などの地方公共団体が設立し、公費で運営する図書館です。図書館法では、「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設」と定義されています。公立図書館は、地域住民にとって身近な学習・文化拠点として、重要な役割を担っています。

日本の公立図書館の歴史

日本では、かつて私立図書館が図書館活動の中心でしたが、高度経済成長期以降、公立図書館が急速に増加しました。現在では、公立図書館と公共[[図書館]]はほぼ同義で扱われることが多くなっています。しかし、図書館法では私立図書館も公共[[図書館]]として認められており、多様な図書館の存在が認められています。また、学校図書館もかつては公立図書館の範疇に含まれていました。

公立図書館の役割

公立図書館の主な役割は以下の通りです。

資料の収集・保存: 図書、雑誌、視聴覚資料など、様々な種類の資料を収集・整理し、適切に保存します。資料の選択は、図書館の特性や利用者層に応じて専門的な知識に基づいて行われます。
情報提供: 利用者のニーズに応じて、適切な資料や情報を提供します。司書は、資料の分類や検索のサポート、レファレンスサービスなどを通して、利用者の情報探索を支援します。
学習・文化活動の支援: 読書会、講演会、展示会など、様々な学習・文化活動を企画・実施します。地域住民の学習意欲を高め、地域文化の発展に貢献します。
地域活性化: 近年では、駅前への移転などを通して、地域活性化の拠点としての役割も期待されています。多くの人々が気軽に利用できる施設として、地域の魅力を高める役割を担います。

公立図書館の司書

公立図書館の司書は、単に本の貸し出し・返却を行うだけでなく、図書館の運営において専門的な業務を担っています。

資料の選定・整理: 図書館の蔵書構成を考え、利用者にとって必要な資料を選定します。寄贈された資料の受け入れ可否の判断や、保存すべき資料の選別も重要な業務です。
資料の分類・配架: 専門知識に基づき、資料を分類し、利用者が探しやすく配置します。開架書架の案内や、利用者の質問への対応も行います。
情報提供: 利用者のニーズを把握し、適切な資料や情報を提供します。専門的な知識を活かし、利用者の情報探索をサポートします。
イベント企画・実施: 読書会、講演会、展示会など、地域住民向けのイベントを企画・実施します。図書館の魅力を高め、利用者の拡大を図ります。
予算管理・交渉: 図書館の運営に必要な予算を計画し、地方公共団体との交渉を行います。図書館活動を維持・発展させるための重要な業務です。

近年の動向

2010年代以降、公立図書館を駅前に移転する動きが活発化しています。これは、図書館が公共施設の中で最も利用者が多いこと、また国がコンパクトなまちづくりを推進していることが背景にあります。駅前への移転により利用者数が増加する一方で、利用者層を拡大するための工夫も求められています。

各地の公立図書館

都道府県立図書館: 都道府県が設置する図書館です。
市町村立図書館: 市町村が設置する図書館です。近年、市町村立図書館の整備が進んでいます。
区立図書館: 東京23区には、区立図書館が設置されています。

今後の課題

公立図書館は、地域住民にとって不可欠な存在ですが、町村部では図書館の整備が遅れている現状があります。また、図書館職員の専門性に対する理解不足や、予算の制約などの課題も存在します。今後、これらの課題を克服し、公立図書館が地域社会でより一層重要な役割を果たすことが期待されます。

図書館の役割は、単に本を貸し出すだけでなく、地域住民の学習や文化活動を支援し、地域社会の活性化に貢献することです。そのため、司書は専門的な知識と技術を駆使し、利用者一人ひとりのニーズに対応し、地域に根ざした図書館づくりを目指していく必要があります。

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