六厘舎

六厘舎（ろくりんしゃ）は、つけ麺を中心に提供する日本のラーメン店です。その運営は、東京都千代田区に本社を置く株式会社松富士食品が行っています。

創業から人気店へ

六厘舎の歴史は、三田遼斉氏によって2005年4月に東京都品川区大崎で大崎本店が開業されたことから始まります。開業から数ヶ月間は集客に苦戦し、経営危機に瀕したといいます。この状況を打開するため、三田氏が理想とする「超濃厚スープ」と「極太麺」という、それまでになかった特徴的なスタイルへと大きく方向転換したところ、瞬く間に人気に火がつき、様々なメディアで頻繁に取り上げられるようになり、連日長蛇の行列ができる店として知られるようになりました。

六厘舎のつけ麺の特徴

スープ: 六厘舎のつけ麺の最大の特徴は、大量の素材を長時間かけてじっくりと煮込んだ、魚介と動物系の旨味が凝縮された超濃厚なスープです。一般的なつけ麺のスープよりもさらに濃度が高く、麺との絡みが非常に良いのが特徴です。つけ麺の締めには、柚子の風味が爽やかなスープ割りが提供されます。
麺: 麺は自家製ではなく、浅草開化楼に特注で発注しています。製麺所と何度も試行錯誤を重ね、店舗を休業して協議を重ねた結果、現在のスープに合う極太麺が完成しました。コシがあり、食べ応え十分な麺が濃厚なスープによく絡みます。
* 魚粉: 海苔で作った「筏（いかだ）」の上にパウダー状の魚粉を山盛りに乗せるという独特のスタイルを始めたのが六厘舎とされています。この魚粉をスープに溶かすことで、魚の風味がより一層増し、味の変化を楽しむことができます。

評価と受賞

その味は高く評価され、「TOKYO 1週間」誌のラーメン・オブ・ザ・イヤーつけ麺部門において、2006年と2007年に2年連続で最優秀賞を受賞しています。

大崎本店の変遷

かつての大崎本店は、東京都内でも屈指の行列店として知られ、時に100人を超える行列ができ、約2時間待ちが常態化していました。特に3連休などには待ち時間が2時間半を超えることも珍しくありませんでした。しかし、この長期にわたる大行列が近隣住民に多大な迷惑をかける事態となったため、解消の目処が立たないことを理由に、2010年8月29日をもって一旦閉店しました。その後、別の場所への移転・復活を目指していることが公表されていました。

一時閉店の後、2012年1月からは毎週土曜日のみの週1回限定で営業を再開しましたが、これも2014年3月29日に一時休業となりました。そして、2014年4月18日には大崎ウィズシティ内に新たに店舗を構え、営業を再開しました。しかし、2015年3月9日には客席付近からの火災により再び一時休業に見舞われましたが、同年11月27日に無事営業を再開しています。

多店舗展開と系列店

六厘舎は本店以外にも積極的に店舗展開を行っています。2009年6月には東京駅八重洲口側の東京ラーメンストリートに「六厘舎TOKYO」を開店し、駅利用者に人気の店舗となっています。2012年5月には東京スカイツリータウン内の商業施設、東京ソラマチにも「六厘舎TOKYO スカイツリータウン・ソラマチ店」を出店しました。その他、羽田空港国際線ターミナルやアトレ上野にも店舗を構えています。また、つけ麺関連のイベント会場にも出店するなど、その人気は広がりを見せています。

運営会社の松富士食品は、六厘舎以外にも様々な業態のラーメン店を展開しています。兄弟店舗として、埼玉県さいたま市に「ジャンクガレッジ」（ガツン系）、鴻巣市に「次念序」（つけめん系）があります。さらに、新しい業態への挑戦として、セルフうどん店の形式を取り入れ、つけ麺業界では初となるドライブスルーを導入した店舗「もっちりつけめんしゃりん」を2010年10月に武蔵村山市に開店しています。その他、「舎鈴」や「トナリ」、「久臨」といった系列店も展開しています。

その他の展開

店舗での提供に加え、通信販売も積極的に展開しています。関連会社の勢天株式会社が、自社ウェブサイトや大手ECサイトである楽天市場などを通じて、自宅でも六厘舎のつけ麺を楽しめるようにしています。

備考

2015年 4月18日には創業10周年という節目を迎えました。この日より、つけめん類の価格を一律20円値下げしたことが公式に発表されています。

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