六地蔵寺

六地蔵寺

六地蔵寺（ろくじぞうじ）は、茨城県水戸市六反田町に位置する真言宗豊山派の寺院です。末寺を25ヶ寺も擁する由緒ある本山であり、倶胝密山（ぐていみつざん）、聖寶院（しょうほういん）という山号と院号を併せ持っています。古くから安産と子育ての霊場として広く信仰を集めてきました。

歴史

六地蔵寺の開山は、平安時代初期の大同2年（西暦807年）に遡ると伝えられています。室町時代後期には、第三世住職である恵範（えはん）が西国諸大寺で学び、経典の収集と書写に尽力しました。この功績により、六地蔵寺は関東における教学の中心地となり、多くの著名な学僧や修行僧を輩出する檀林としての地位を確立しました。その中には、徳川家康の信任を得て大和国長谷寺の第三世能化となった第八世の宥義（ゆうぎ）も名を連ねています。

近世に入ると、六地蔵寺は佐竹氏、さらには将軍家、水戸徳川家の所領となりましたが、いずれの領主からも手厚い保護を受けました。江戸時代には幕府から朱印を与えられる格式を誇り、境内にある地蔵堂と法寶蔵は、水戸徳川家二代藩主である徳川光圀によって建立されました。光圀の庇護のもと、数々の寺宝が今日まで伝えられてきました。現在でも、将軍家や水戸徳川家歴代の位牌、そして県内最多を誇る文化財が大切に守り伝えられています。

文化財

六地蔵寺には、数多くの貴重な文化財が所蔵されています。

重要文化財（国指定）

朱漆足付盥 4口
「根来塗」と呼ばれる朱漆塗の作品で、仏教行事である布薩会で手を清めるための水を受ける布薩盥です。4口すべてに「六蔵寺二対内 細工根来寺重宗 本願法印恵範」という朱漆銘が底裏にあります。「六蔵寺」は六地蔵寺の別名であり、銘文から、3世の恵範が没した天文7年（1538年）以前に製作されたことがわかります。また、銘文に「根来寺」とあることから、この種の朱漆器が中世に紀州の根来寺で製作されていたことを示す貴重な史料となっています。

茨城県指定有形文化財

神皇正統記 3冊
六地蔵寺所蔵典籍文書：典籍892部（1975冊）、文書407点（479通）
絹本著色両界曼荼羅 2幅
絹本著色弘法大師像
絹本著色真言八祖像 8幅
絹本著色十二天立像 12幅
絹本著色六字経曼荼羅
絹本著色十三仏図
絹本著色釈迦十六善神図
紙本著色制吒迦童子像
灌頂用具 15点
密教法具 23点
龍輪宝羯磨文戒体箱（りゅうりんぽうかつまもん かいたいばこ）
龍輪宝羯磨文説相箱 2合
銅板貼山伏笈（やまぶしおい）
漆塗経櫃
四脚門

脚注

外部リンク

六地蔵寺（公式ホームページ）
* 六地蔵寺（公式ブログ）

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