六月の蛇

映画『六月の蛇』の概要



『六月の蛇』は2002年に公開された日本のエロティック・スリラー映画であり、塚本晋也が監督を務めています。主演には黒沢あすかと神足裕司が名を連ねています。本作は、第59回ヴェネツィア国際映画祭において「コントロ・コレンテ」部門の審査員特別賞を受賞し、その評価が高まる要因となりました。

あらすじ



物語の中心にいるのは、電話相談室でカウンセラーとして働く辰巳りん子（黒沢あすか）です。彼女は夫の重彦（神足裕司）と一緒に暮らしていますが、彼らの関係はセックスレスの状態が続いています。ある日、りん子のもとに無造作に送られてきた一束の写真。その中には、彼女が自室で自慰行為をしている姿が映し出されていました。この写真を送りつけたのは、かつてりん子を自殺から救った相談者である飴口道郎（塚本晋也）です。彼は彼女に連絡を取り、駅のトイレへ呼び寄せます。

写真のフィルムを受け取るため、りん子は飴口から指示を受け、屋外での自慰行為を行うよう強要されることで次第に秘められていた欲望が目覚めてしまいます。この行為を通じて、彼女は自分の内なる世界と向き合うことになります。

後日、りん子は医師の診断を受け、乳癌であることを知らされます。一方で、写真を拾った重彦は彼女の行動に疑念を抱き、りん子を尾行します。雨の降る路地裏でりん子が過激な行動に出る様子を目撃した重彦は、驚きと興奮を併せ持った視線で彼女の行動を見守ることになります。

結果として、重彦は飴口から呼び出され、暴行を受けますが、飴口は末期癌を抱えており、その後に命を落とします。りん子は傷ついた重彦と再会し、互いに裸で激しく抱き合うことで、かつての関係を取り戻そうとします。

登場人物とキャスト




評価と批評



本作の評価は多岐にわたります。Rotten Tomatoesでは、9件の批評家レビューに基づき、平均スコアは5.4点、支持率は56%となっています。『Variety』のデヴィッド・ルーニーは、この映画が「操作と支配という暗い主題から、回復と再生へ向かう物語」であるとし、監督にとって異例の楽天的な作品であると述べています。一方、『The Guardian』のピーター・ブラッドショウは、日本的な独自の魅力を称賛し、本作に高い評価を与えています。

受賞歴




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