六本木フェイク

六本木フェイク〜傷だらけの天使たち〜

作品解説

『六本木フェイク〜傷だらけの天使たち〜』は、1997年に製作・公開された日本の劇場用映画です。シネロケットが製作を手掛けました。本作は、1970年代に放送され人気を博したテレビドラマ『傷だらけの天使』の世界観を女性二人に置き換えて再構築するというコンセプトのもと企画されました。スタイリッシュな映像と、アウトローながらもどこか人間味あふれる主人公たちの活躍を描いています。

ストーリー

物語の舞台は、煌びやかな光と影が交錯する街、東京・六本木。雑居ビルの片隅にある一室で共同生活を送っているのは、29歳の宮園綾香と、なぜか彼女のもとに転がり込んできた19歳の相沢エチカです。規律のない自由奔放な綾香に対し、エチカは年上でありながらも綾香には決して逆らえません。二人は特定の定職に就くこともなく、その日暮らしのような生活を送っていました。

そんなある日、日頃から世話になっている探偵事務所から、二人のもとへ奇妙な仕事の依頼が舞い込みます。その内容は、「亡くなった男性が、最後に交際していた女性を見つけ出してほしい」というものでした。二人はこの依頼を、いつもの小遣い稼ぎ程度のアルバイト感覚で安易に引き受けますが、この探偵仕事が、やがて彼女たちを予測不能な事件の渦中へと引きずり込んでいくことになります。軽い気持ちで足を踏み入れた裏社会は、二人の絆と運命を大きく揺るがしていくのです。

出演者

主人公である宮園綾香を演じたのは、長田江身子。そして、綾香の年下の相棒となる相沢エチカ役には、当時グラビアなどで人気を博していた矢部美穂が起用されました。二人の対照的な魅力が作品の核を成しています。

脇を固める個性的な俳優陣には、りりィ（鏑木麗子）、佐藤秀光（金井欣次）、平野寿将（リー・徳永）らが名を連ねています。その他、三島隆太郎（誠）、酒井康行（恭司）、麻生典子（加奈子）、神崎恵（田野真由子）、宙也（ケンサク）といった顔ぶれが出演し、物語に深みを与えています。

スタッフ

監督と脚本は、出馬康成が手掛けました。監督は、荒々しくもリアリティのある六本木の風景と、主人公たちの不安定な心情を描き出しています。撮影はとしおかたかお、音楽は黒木和男が担当し、作品の雰囲気や緊張感を巧みに表現しています。助監督は尾上宏伸、録音は鈴木昭彦、照明は安部力、編集は金子尚樹がそれぞれ担当しました。プロデューサーは斎藤晃、総合プロデューサーは寺尾和明が務め、製作は日本レンタル・システム・サプライが行いました。

音楽

本作の音楽も、作品の世界観を彩る重要な要素となっています。オープニング曲には、LERAINE HORSTMAN SHOFFとCHRIS ORANGEによる「DEEP WOODS GROOVE」が使用され、スタイリッシュな幕開けを演出します。挿入歌として、LOOPUSの「HIKARI」や、出演者でもあるりりィの「海の部屋」が使用されました。特にエンディング曲には、りりィの代表曲の一つであり、多くの人々に知られる名曲「私は泣いています」が採用され、物語の余韻を深く印象づけています。

映像資料

本作は、公開後にVHS（ビーム・エンタテイメント SHVY-140）としてソフト化されました。その後、DVD（ビーム・エンタテイメント BIBJ-1648）としてもリリースされており、現在でもソフト媒体で鑑賞することが可能です。

関連情報

シネロケット
公開時のポスター

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