六田駅

六田駅：吉野山への玄関口、その歴史と現状

近畿日本鉄道吉野線の六田駅は、奈良県吉野郡大淀町北六田に位置する、歴史と自然に囲まれた駅です。1912年の開業以来、地域住民の足として、そして吉野山への観光客の玄関口として、長く親しまれてきました。この記事では、六田駅の歩み、現状、そして周辺の魅力について詳しく解説します。

六田駅の変遷：吉野軽便鉄道から近鉄吉野線へ

六田駅の歴史は、1912年、吉野軽便鉄道の吉野口～六田間が開通したことに始まります。当初は『吉野駅』として開業しましたが、1928年の路線延伸に伴い、『六田駅』へと改称されました。その後、幾度かの合併を経て、現在の近畿日本鉄道吉野線の駅となりました。1999年には特急停車駅に昇格、利便性が向上しました。近年では、2021年頃に終日無人駅となりましたが、自動改札機やICOCA対応の簡易改札機が設置されており、利用者の利便性は維持されています。

駅舎と設備：コンパクトながら機能的な空間

六田駅は、相対式2面2線の地平駅で、行違いも可能な構造となっています。ホームは4両分の長さがあり、駅舎は下りホーム側に位置し、上りホームとは構内踏切で連絡しています。駅構内には、六田列車区と古市検車区六田車庫も併設されており、近鉄の鉄道運行を支える重要な拠点となっています。かつての吉野駅は現在の駅舎より東側にありましたが、現在も車庫の奥にその名残が確認できます。

無人駅となった現在でも、改札口内に男女別水洗トイレが設置されています。特急券は、かつては駅窓口で販売されていましたが、2020年時点では自動券売機のみでの販売となっています。PiTaPa、ICOCAにも対応しています。

利用状況と交通アクセス：地域と観光を支える役割

六田駅の1日平均乗降客数は、近年減少傾向にあります。2000年代前半には1000人を超えていましたが、2023年11月時点では600人台となっています。これは、近年の高齢化や自動車の普及といった社会情勢の変化を反映していると考えられます。

駅へのアクセスは、国道169号沿いに位置しているため、車でのアクセスが便利です。また、大淀町よどりバスの「六田駅」停留所や、大淀町よどりタクシー（デマンド交通）も利用可能です。

周辺情報：歴史と自然、そして産業

六田駅周辺は、豊かな自然と歴史的な史跡が共存する地域です。駅近くには、六田郵便局、大淀町健康づくりセンター、世尊寺（比蘇寺跡）、そして六田の渡し場跡などがあります。大峯奥駈道の起点となる柳の宿も近く、登山客も多く訪れます。また、産業面では、森本製作所や吉野ストアなどの事業所も立地しています。

ダイヤ：特急を含む全列車停車

六田駅は、特急を含む全定期旅客列車が停車します。早朝と夜間には駅発着の普通列車が数本運行されており、近隣地域住民の生活を支えています。また、橿原神宮前駅や吉野駅との区間運転列車も設定されており、利用者の利便性を高めています。早朝には南大阪線直通の列車も運行されています。

まとめ：変化を続ける六田駅

六田駅は、開業から100年以上、地域の変遷とともに変化を続けてきました。無人駅化という変化もありましたが、交通の要衝として、そして吉野山への玄関口としての役割はこれからも続くでしょう。これからも、地域住民や観光客にとって、なくてはならない存在であり続けることを期待しています。

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