六行会

一般財団法人六行会の概要

一般財団法人六行会（りっこうかい）は、東京都品川区に位置し、六行会ホールを運営している歴史ある団体です。この組織の起源は1845年にさかのぼり、南品川宿の有志たちが日掛積金を通じて地域の互助を図るために創設されました。この活動は凶作や災害に対応するためのものであり、当初は地域の地主を中心に始まったものです。

歴史的背景

六行会は、1845年に関東代官の許可のもと、「宿相続」という制度を基に積立金を利活用することからスタートしました。災害や不作の影響を受けた地域住民の相互扶助が目的です。この積立金は、数年後の1855年には大きく増加し、佐土原藩の抱屋敷の土地を購入することができました。この土地で貸家の建設を計画しましたが、実際の建設許可がおりたのは1861年になってからでした。

その後、六行会は1865年頃から日掛による積立を行わなくなり、明治時代になると宿場制度が廃止されたため、積み立ててきた資金を教育助成や地域の集会所・荏川町倶楽部の運営に移行しました。この倶楽部には荏川町文庫が設けられ、これは東京都内で最古の図書館となりました。組織名「六行会」は、南品川宿の六字と古典『周礼』に由来しています。

六行会の発展

1921年には目黒川改修事業によって彼らの貸家や土地の大部分を失うという厳しい状況に見舞われ、1944年には建物疎開で全ての貸家を失いました。しかし、1927年には文部省から財団法人としての認可を受け、翌年には荏川町文庫を独立した図書館として設置しました。1932年には品川地区が東京市に編入され、荏川町文庫は東京市立品川図書館に寄贈されました。1950年に品川区に移管され、品川区立図書館として運営されています。

1994年には設立150周年を迎え、六行会総合ビルが建設されました。このビル内には地下に六行会ホールがあり、各種演劇や音楽イベントが行われています。

六行会ホールの特徴

六行会ホールは、六行会総合ビルの地下2階にあり、プロセニアム形式を採用しています。劇場は214平方メートルの広さをもち、収容人数は小劇場に分類されますが、ホワイエの充実度はホテル並みです。また、地下1階には調整室があり、舞台奥手には地上への搬出入用リフターも設置されています。

2000年からは、同ビル入居の品川図書館と連携して、低年齢層向けの舞台芸術鑑賞会であるチルドレンフェスティバルを主催し、多くの子供たちに文化活動を提供しています。また、実演劇団によるバックステージツアーも行われ、地域における芸術文化の振興にも貢献しているのです。

まとめ

一般財団法人六行会は、1845年の設立以来、互助や教育支援を主な目的に活動しており、地域の文化や歴史の一翼を担う存在です。六行会ホールをはじめとする施設を通じて、今もなお地域に根ざした文化の発展に寄与しています。

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