共同企業体

共同企業体（きょうどうきぎょうたい）

共同企業体とは、複数の企業が協力して特定の事業を行う組織のことを指します。特に土木建築業界において、特定の工事を受注し施工するために形成されるパートナーシップの一形態としてこの概念が重要視されています。英語では「joint venture」または略称で「JV」と呼ばれています。

概要

1951年に建設省（現・国土交通省）によって制度が策定され、運用が始まった共同企業体は、主に大規模で困難な工事の確実な施工を確保し、優良な中小・中堅建設企業の振興を目指すことを目的としています。国土交通省が発注する工事では、「共同企業体運用準則」に従って運用されており、地方公共団体でも同様の取り組みが行われています。

共同企業体は、その目的に応じて「特定建設工事共同企業体（特定JV）」と「経常建設共同企業体（経常JV）」の二種類に分かれます。加えて、2011年には「地域維持型建設共同企業体（地域維持型JV）」も新たに設けられました。また、JVは法律上の組合に該当し、利益分配に応じて各企業に課税が行われる点も特徴です。

特定JV

建設業界は多様な業種が存在し、総合建設業者（ゼネコン）でさえ、特定の分野において得意・不得意が分かれることがあります。そのため、近年の複雑な大規模工事では、各専門分野の企業が協力して一つのプロジェクトにあたることが求められています。特定JVは、こうした観点から各工事ごとに設立され、一般的には2社または3社が組むことが一般的ですが、特に大規模な建物などではより多くの企業が参加することもあります。

例えば、横浜スタジアムの建設時には11社が協力してプロジェクトにあたったとされています。受注を逃したJVは、工事の開札後にはその形成が解消されますが、受注に成功した企業体は工事完了まで存続し、請負金の請求を行います。

特定JVの形成時には、発注に関する公告が出された際に組織の届け出が必要です。出資比率の要件としては、2社の共同体では少なくとも一社が30%、3社の場合は20%の出資を求められます。最も多くの出資を行う企業は幹事会社と定められ、そのプロジェクトにおいて主導的な役割を果たすことになります。

経常JV

経常JVは、規模の小さい建設業者同士が組み合わさって大規模な工事を受注する携帯です。このように結びつくことで、単独では不可能な大規模工事の受注が可能となり、受注の機会を広げ、経済的利益の向上が期待されます。経常JVでは単独の企業とみなされ、一定の期間、単体企業と同じように資格を持つ建設業者として登録されます。

最近では、地方公共団体において入札方法の多様化が進んでいるため、経常JVを通じてさらに受注機会を拡大しようという動きがありますが、その一方で経常JVの解消が見られることも増えています。

地域維持型JV

地域維持型JVは、経常JVの考え方を発展させたもので地域における持続的な維持管理の必要性から生まれた共同企業体です。この形式では地域の建設企業が結成され、地域に必要な工事を受注することを目指します。主に修繕や災害応急対応、除雪などの工事に携わるための体制が整えられており、メンバー企業間の協力体制が重要とされます。地域維持型JVは通常のJVと比べて技術者要件が緩和されている点が特徴で、他の企業との同時登録が可能となっている点も重要です。

関連項目

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このように、共同企業体は、特に建設業界において重要な役割を果たしており、様々な形態が存在することで、効率的かつ効果的な事業展開が可能となります。

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