共立薬科大学

共立薬科大学の概要

共立薬科大学（きょうりつやっかだいがく）は、東京都港区芝公園に本部を置いていた私立の大学です。この大学は1949年に設立され、2008年に解散しました。本学は、薬学を専門とし、女子学生を対象にした教育機関としてスタートしましたが、その後共学化され、男女両方の学生に教育を提供するようになりました。

歴史の始まり

その起源は1930年に遡ります。この年、幼稚園の園長を務めていた小島つながが、彼の息子小島昇と共に不動貯金銀行創業者の牧野元次郎の支援を受けて、財団法人共立女子薬学専門学校を設立しました。小島昇は慶應義塾大学を卒業し、その後幼稚園の経営に携わることとなります。幼稚園の所在地に新たに薬学を教える専門学校を設けることを決め、ついに1930年11月26日に設立が認可され、共立薬科大学の設立記念日となりました。

学制の改革

1949年には学制改革が行われ、学校法人共立薬科大学として新たに設立されました。大学は「温厚和平」という建学の精神の下、実習と実験重視の教育を行い、製薬化学や合成化学において高い教育を提供しました。長年にわたり、薬剤師の養成に力を入れてきました。

合併とその背景

2006年には、慶應義塾大学との合併が発表され、2007年9月には文部科学省から合併が認可されました。そして2008年4月、共立薬科大学と慶應義塾大学が合併し、慶應義塾大学薬学部および大学院が設置されました。この合併の一因は、薬学部が6年制に移行したことにあります。

現在、旧共立薬科大学のキャンパスは、慶應義塾大学薬学部の芝共立キャンパスや浦和共立キャンパスとして利用されています。浦和共立キャンパスには薬用植物園があり、薬学の研究や教育に役立てられています。

学部・大学院の構成

本学の学部は主に薬学部であり、入学生は4年制の薬学科および6年制の薬剤師養成を目的とした薬学科に分かれて学んでいました。また、大学院には薬学専攻と医療薬学専攻が存在し、修士課程も設置されていました。

歴代の校長

歴代校長には、スガ商事の創始者である桜井小平太や、長田捷二、中村勇蔵といった才能ある人々が名を残しています。これらのリーダーのもとで、大学は成長と革新を遂げてきました。

まとめ

共立薬科大学は、日本の薬学教育の重要な一翼を担っていた教育機関であり、薬剤師の育成に長年尽力してきました。その伝統は慶應義塾大学に受け継がれており、薬学分野における教育と研究の深化に大きく寄与しています。

もう一度検索