兵庫県立家島高等学校

兵庫県立家島高等学校（ひょうごけんりついえしまこうとうがっこう）は、兵庫県姫路市家島町に位置する公立の高等学校である。家島諸島に所在し、島内で唯一の県立高校として地域の教育を支えてきた。しかし、兵庫県が進める高等学校再編計画の一環として、近隣の兵庫県立姫路南高等学校および兵庫県立網干高等学校との統合が決定され、2025年度には統合新校である「兵庫県立姫路海稜高等学校」が開校した。

この統合に伴い、兵庫県立家島高等学校は2027年（令和9年）3月31日をもって閉校することが予定されており、これにより家島諸島から県立の高等学校が姿を消すことになる、歴史の節目を迎えている学校である。

概要

本校は、1学年の定員が40名と、比較的小規模な学校運営が行われている点が特色である。教育課程としては普通科が設置されている。学区は兵庫県内の第4学区に区分されているが、特色選抜制度を導入しており、これを利用することで兵庫県下全域からの入学志願を受け入れている。家島諸島外から通学する生徒も少なくなく、これらの生徒の多くは本土側の姫路港との間を結ぶ定期航路を利用して通学している。

沿革

学校の起源は1952年（昭和27年）に遡る。この年に、兵庫県立姫路東高等学校の家島分校として、定時制課程が設置され開校した。その後、教育体制の拡充が進められ、1962年（昭和37年）には定時制から全日制課程へと改められた。さらに時を経て、1984年（昭和59年）には親校から独立し、兵庫県立家島高等学校として新たな歩みを進めることとなった。

近年の大きな動きとしては、兵庫県の高等学校再編計画に関連する一連の決定が挙げられる。2022年（令和4年）7月14日には、兵庫県教育委員会から兵庫県立姫路南高等学校および兵庫県立網干高等学校との間での統廃合計画が公表された。続いて同年11月17日には、2025年度の開校を目指す統合新校「兵庫県立姫路海稜高等学校」の設置場所として、兵庫県立姫路南高等学校の既存校地となることが決定された。これらの決定に伴い、家島高校は2024年（令和6年）度からの生徒の新規募集を停止した。そして、前述の通り、2027年（令和9年）3月31日をもって、その約75年にわたる歴史に終止符が打たれる予定となっている。

学科

設置学科は普通科のみである。過去には、時代に応じて教育内容が見直されてきた。

平成22年度（2010年度）入学生まで：2年次進級時に「基礎教養類型」または「総合キャリア類型」のいずれかを選択する形が採られていた。
平成23年度（2011年度）入学生から：カリキュラムが見直され、2年次からは「海と科学類型」と「トータルキャリア類型」の二つからの選択となった。「海と科学類型」は、生徒の進路希望に応じてさらに文系と理系に細分化される特色を持っていた。

部活動

学校生活を彩る部活動も盛んに行われていた。生徒は自らの興味や関心に応じて様々な活動に参加することができた。

運動部：ソフトテニス、バスケットボール、剣道、陸上競技、バレーボール、マリンスポーツ、ウェイトリフティングといった多様な種目があった。海に囲まれた家島という立地を活かしたマリンスポーツなども特色の一つであった。
文化部：地域クラブ、英会話部、華道部、茶道部、クッキング部、コンピュータ部があり、生徒の幅広い興味に応える機会を提供していた。

兵庫県立家島高等学校は、閉校までの間、地域に根差した教育活動を続け、その歴史を刻んでいる。

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