家島諸島

家島諸島：瀬戸内海の美しい島々

家島諸島は、兵庫県姫路市の沖合約18kmに位置する、大小40余りの島々からなる諸島です。東西約26.7km、南北約18.5kmに広がり、瀬戸内海の播磨[[灘]]に浮かぶ、淡路島、小豆島、そして本州に囲まれた絶好のロケーションにあります。総面積は19.7平方キロメートルで、2022年時点では約4000人が暮らしており、家島、坊勢島、男鹿島、西島の4島が有人島となっています。

地理と自然

家島諸島は、穏やかな瀬戸内海式気候に属し、温暖で過ごしやすい気候が特徴です。年間平均気温は15.4℃、最高気温は35.3℃（2006年8月9日記録）、最低気温は-6.9℃（1981年2月26日記録）と、比較的温暖な気候です。降水量は国内平均と比較して少ないです。 島々は花崗岩が多く、美しい海岸線や自然豊かな景観を形成しています。一部は瀬戸内海国立公園に指定されており、豊かな自然を満喫できます。

歴史と文化

家島諸島には、旧石器時代から弥生時代にかけての遺跡が発見されており、古くから人が居住していたことがわかっています。西島では6世紀頃の古墳群も発見されています。家島という地名は、『播磨国風土記』に由来し、「人民、家を造りて居り、因って、家嶋と呼ぶ」と記されています。また、神武天皇の東征伝説にも登場し、古くから重要な拠点であったことがうかがえます。『万葉集』にも家島付近を詠んだ歌が収録されています。

中世以降は、瀬戸内海の海上交通の要所として栄え、海運業が盛んでした。江戸時代には姫路藩領となり、真浦、宮、坊勢の3集落が家島一村として統治されていました。島内には、真浦神社、家島神社など歴史ある神社があり、独特の伝統芸能である「真浦の獅子舞」は兵庫県の無形民俗文化財に指定されています。

産業

古くから花崗岩の採石、漁業、海運業が盛んでしたが、戦後の乱獲や水質汚染の影響で漁業は衰退しました。現在は観光漁業や養殖が中心となっています。高度経済成長期には、西島や男鹿島で採掘された花崗岩が、護岸工事や埋め立てなどに使用され、造船業も盛んでした。近年は農業も営まれており、近年は瀬戸内海を泳いできたイノシシの被害対策も行われています。

各島の紹介

家島：諸島の中央に位置し、宮と真浦の2つの地区があります。家島港は天然の良港として知られています。面積は5.46平方キロメートルで、家島諸島の人口の約6割が居住しています。

真浦：家島の中心地で、古くから「間浦」と呼ばれていました。真浦神社はかまど神を祀り、飯森山は戦国時代の瀬戸内水軍の拠点であったと推測されています。

宮：家島湾入り口の集落で、古くは「宮浦」と呼ばれていました。姫路市役所家島事務所、兵庫県立家島高等学校、中学校、小学校などが立地しています。

男鹿島：宮に属し、面積は4.57平方キロメートルです。かつては男鹿小学校がありました。

坊勢島：面積は1.87平方キロメートルで、姫路市役所坊勢サービスセンター、中学校、小学校などが立地しています。人口増加を経験した時期もありました。

西島：家島諸島最大の島で、面積は6.59平方キロメートルです。兵庫県立いえしま自然体験センターがあります。

その他にも、院下島、黒フゴ島、高羽島、金子島、小松島、松島、桂島、小ツフラ島、大ツフラ島、長島、三ッ頭島、高島、大ヤケ島、小ヤケ島、矢ノ島、ハタカ島、黒島、大コ島、宇和島、加島、太島、クラ掛島、上島など多くの島々が存在します。これらの島々は、それぞれ独自の自然環境と歴史を有しています。

交通

姫路港から連絡船が出ており、家島へのアクセスが可能です。高速船「いえしま」や「高福ライナー」などが運航しています。男鹿島と坊勢島へは坊勢輝汽船が運航しています。島内ではコミュニティバスが運行されています。

施設

家島には、姫路市役所家島事務所、家島郵便局、姫路市家島B&G海洋センター、兵庫県立家島高等学校、姫路市立家島中学校、姫路市立家島小学校などがあります。男鹿島には男鹿島鹿公園、ダチョウ牧場、青井ノ浜海水浴場などがあります。坊勢島には姫路市役所坊勢サービスセンター、坊勢郵便局、姫路市立坊勢中学校、姫路市立坊勢小学校などがあります。西島には兵庫県立いえしま自然体験センターがあります。

まとめ

家島諸島は、歴史と自然豊かな島々です。美しい景観、温暖な気候、そして独自の文化を体験できる魅力的な場所です。ぜひ訪れて、瀬戸内海の自然と文化に触れてみてください。

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