兵庫県立西はりま天文台

兵庫県立大学西はりま天文台

概要

兵庫県立大学西はりま天文台は、兵庫県佐用郡佐用町に所在する公開天文台および研究施設です。2012年3月までは「兵庫県立西はりま天文台」の名称でしたが、2012年4月からは兵庫県立大学自然・環境科学研究所に移管され、現在は兵庫県立大学の附属機関として運営されています。一般向けの天体観望会は毎夜開催されており、公園内の宿泊施設を利用することで深夜の天体観望を楽しむことができます。天文講演会や関連イベントも随時開催されるほか、ホールには隕石などの展示があり、これらは自由に見学可能です。

沿革

当天文台は、1990年に公開天文台として開所し、北館を中心とした活動を開始しました。2001年4月には大型望遠鏡計画がスタート。その成果として、2004年10月に国内最大、一般公開用としては当時世界最大であった口径200cmの反射式天体望遠鏡「なゆた」が完成し、最初の観測（ファーストライト）が行われました。翌11月には、「なゆた」の一般公開利用および研究利用が開始されました。2012年4月には兵庫県立大学への移管に伴い名称が変更され、2014年4月時点では「兵庫県立大学西はりま天文台」として活動しています。2016年2月には、「なゆた」の2m主鏡の再コーティング（再蒸着）が実施され、性能維持が図られています。兵庫県博物館協会および全国科学博物館協議会に加盟しています。

教育・研究業務活動

兵庫県立大学西はりま天文台は、多岐にわたる教育および研究支援活動を行っています。大学教育の一環として、兵庫県立大学の学生に対する教育を実施。また、天文分野の研究を行う大学や研究機関に対し、施設の利用を開放することで観測研究を支援しています。学校の理科教育のサポートも行っており、学校単位での施設利用を通じて児童・生徒への教育支援を提供。さらに、天文学や宇宙科学への理解を深めてもらうため、一般向けの普及活動として施設の利用機会を提供しています。

主な施設・機器

天文台南館

大型反射式天体望遠鏡「なゆた」を用いた研究・観測が行われる施設で、望遠鏡の見学も可能です。施設全体および望遠鏡はコンピュータによる全自動制御が可能となっています。
口径200cm反射式天体望遠鏡「なゆた」 (三菱電機製):
有効口径: 2000ミリ
主鏡F比: 1.5
光学系: リッチー・クレチアン式
主鏡素材: ULE低膨張ガラス (ショット社製)
観測波長: 可視光～近赤外 (K-Band)
架台: 経緯台方式
主な観測装置: 高感度カラーカメラ(HIVISCAS)、可視光分光器(MALLS)、可視光撮像装置(MINT)、3色同時近赤外カメラ(NIC)など。
スタディールーム (120人収容)
研究室、望遠鏡制御室、望遠鏡観測室

天文台北館

主に公開利用向けの望遠鏡が設置されています。
口径60cm反射望遠鏡: フォーク型赤道儀式架台。様々な観測装置に対応。
同架望遠鏡: 350ミリ シュミットカセグレイン式

スタープラザ

口径15cm屈折望遠鏡
口径10cm 大型双眼鏡
太陽望遠鏡「キラキラとんぼ」

サテライトドーム (貸出用)

サテライトA: ドーム径3.0m、ミカゲ光器 口径26cm反射望遠鏡
サテライトB: ドーム径2.5m、高橋製作所 口径18cm反射望遠鏡

その他の施設・機器

休憩所、ファミリードーム (マゼランWHITEY DOB 30cm/F5 ニュートン反射鏡)
電波望遠鏡 (太陽バースト電波望遠鏡、リオメータ各種)
貸出用望遠鏡「ほしまる」号

マスコットキャラクター「ほしまる」

「ほしまる」は、西はりま天文台のマスコットキャラクターです。オリオン座をモチーフにしたデザインで、狩人のような姿をしています。オリオン座のトラペジウム星から地球の平和を守るために訪れ、天文台に滞在しているという設定がされています。1990年の開園時に知人の岩崎一彰氏にデザインを依頼して制作されました。当初は名前がなくパンフレット等に登場するのみでしたが、1993年に着ぐるみが制作される際に名前が公募され、地元の小学生によって「ほしまる」と名付けられました。以来、公園のイベントなどに登場し、参加者と共に天体観測を楽しんでいます。

所在地・アクセス

所在地: 〒679-5313 兵庫県佐用郡佐用町西河内407-2
交通アクセス: JR姫新線または智頭急行智頭線 佐用駅からタクシーで約15分。

関連項目

天文台
公開天文台一覧
関連人物: 黒田武彦（元天文台長）、森本雅樹（元天文台公園長）、鳴沢真也（天文科学専門員）

外部リンク

兵庫県立大学西はりま天文台 公式ウェブサイト

もう一度検索