智頭急行

智頭急行株式会社の概要

智頭急行株式会社（ちずきゅうこう）は、兵庫県、岡山県、鳥取県において智頭線を運営している鉄道会社です。沿線自治体の出資による第三セクター方式で設立され、国内の第三セクター鉄道の中で特異な存在として位置づけられています。本社は鳥取県八頭郡智頭町にあり、運輸部は智頭駅構内に設置されています。

鉄道企業としての特性

智頭急行は、数多くの第三セクター鉄道が赤字経営を強いられる中、2015年以降は収益性が最も高い位置にあります。その理由の一つは、特急列車「スーパーはくと」にあります。この列車は京阪神と鳥取県を結ぶ重要な路線で、高い需要を誇ります。また、岡山と鳥取を結ぶ特急「スーパーいなば」も運行されており、これら特急列車の収益が企業の安定に寄与しています。

一方で、普通列車の利用率はあまり高くなく、2010年度の統計では、年間の旅客収入約13.1億円のうち12.9億円は定期外収入に依存しています。このことから、地方鉄道がおおむね抱える通学客への依存度が極めて低いことがわかります。さらに、鳥取自動車道の開通によって高速バスの所要時間が短縮される見込みですが、現状では智頭急行の経営に大きな影響を与えていない状態です。

設立から沿革

智頭急行が運営する智頭線は、元々日本国有鉄道の智頭線として計画されました。しかし国鉄の経営が悪化した結果、1980年代には工事が凍結されました。そこで、地域のリーダーたちが第三セクターによる運営の検討を始めました。1985年には工事再開の合意が成立し、1986年に智頭鉄道株式会社が設立。1994年には社名を現在の智頭急行株式会社に変更し、翌年12月に智頭線が開業しました。

路線概要

智頭線は上郡駅から智頭駅までの56.1km区間で構成されています。この路線の特徴として、高架橋とトンネルが多く使用されている点が挙げられます。踏切はほとんど存在せず、安全性が確保されています。

車両と運営

智頭急行は、自社の特徴を表した形式称号「HOT」を持つ車両を保有しています。この「HOT」は、沿線の県名の頭文字を取ったものです。主要な車両には、普通列車用のHOT3500形気動車と特急「スーパーはくと」用のHOT7000系気動車があります。特急車両はJR西日本に管理が委託されており、地域の交通網の改善に寄与しています。

運賃と料金体系

智頭急行の運賃体系は、普通旅客運賃と特急料金に分類されます。特急列車利用時には乗車券と特急券が必要となり、料金は全線均一です。また、企画乗車券も販売されており、利用者がコストを抑えて旅行できる工夫がなされています。

終わりに

智頭急行は地域交通の重要な役割を果たしながら、高い収益性を実現している稀有な第三セクター鉄道です。特急列車を中心とする運営によって、多くの利用者に支持されています。さらに、智頭急行は地域活性化にも貢献しており、今後もその発展が期待されます。

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