兵庫県立視覚特別支援学校

兵庫県立視覚特別支援学校：歴史と教育の歩み

兵庫県立視覚特別支援学校は、兵庫県神戸市垂水区に所在する、視覚障害のある児童・生徒のための県立特別支援学校です。幼稚部から高等部までを備え、幅広い年齢層の生徒を受け入れています。

学校の沿革：百年を超える歴史

本校の歴史は古く、1905年6月10日、左近允孝之進氏によって私立神戸訓盲院として創立されました。その後、幾度かの移転を経て、1932年4月1日、現在の垂水区へと移転しました。この間、校舎の改築や寄宿舎の新築など、施設の充実を図りながら、生徒の教育環境の向上に努めてきました。

1948年の新学制施行に伴い、小学部、中学部、高等部が設置され、高等部には理療科、別科あんま科が設けられました。その後、1968年には幼稚部、1970年には高等部本科普通科が設置されるなど、教育課程の拡充が進められました。高等部専攻科についても、理療科、医療科、保健理療科と変遷を遂げ、時代のニーズに応じた教育を提供してきました。

2007年4月1日には、学校名が「兵庫県立盲学校」から「兵庫県立視覚特別支援学校」へと変更されました。これは、特別支援教育の理念に基づき、より多くの視覚障害を持つ子どもたちに適切な教育を提供するための重要な転換点となりました。

教育課程：多様なニーズに対応

本校では、視覚障害のある児童・生徒一人ひとりの個性と能力を伸ばすことを目指し、多様な教育課程を用意しています。高等部には普通科と保健理療科があり、生徒の進路希望に合わせた教育を受けることができます。普通科では、大学進学を目指す生徒のための教育を提供し、保健理療科では、理学療法士や作業療法士などの資格取得を目指せる教育を提供しています。

幼稚部、小学部、中学部では、基礎的な学力向上はもちろんのこと、視覚障害に配慮した学習支援体制が整えられています。点字や拡大図書、ICT機器などを活用し、生徒が学習内容を理解し、主体的に学習に取り組めるよう支援しています。

卒業生：社会に貢献する人材

本校の卒業生は、様々な分野で活躍しています。鍼灸師として活躍する田中国夫氏や、ピン芸人として第16代R-1ぐらんぷり王者の称号を獲得した濱田祐太郎氏など、著名な卒業生も輩出しています。

学校の特色：温かい教育環境

兵庫県立視覚特別支援学校は、生徒一人ひとりを大切にする温かい教育環境が特徴です。教職員は、生徒の視覚障害への理解を深め、個々のニーズに合わせたきめ細やかな指導を行っています。また、生徒同士の良好な関係づくりにも力を入れており、生徒たちが安心して学校生活を送れるよう支援しています。

まとめ

100年以上の歴史を持つ兵庫県立視覚特別支援学校は、常に時代の変化に対応しながら、視覚障害のある児童・生徒への教育に尽力してきました。これからも、生徒たちの可能性を最大限に引き出し、社会に貢献できる人材育成に貢献していくことでしょう。

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