兵庫県道163号柴山停車場線

兵庫県道163号 柴山停車場線

兵庫県道163号線は、美方郡香美町の香住区浦上地区を通る一般県道の一つです。正式名称は「柴山停車場線（しばやまていしゃじょうせん）」といい、その名の通り、JR西日本が運行する山陰本線の柴山駅と周辺の地域交通網を結びつける役割を担っています。

この県道は、兵庫県と京都府の県境をまたぐ広域幹線道路である兵庫県道・京都府道11号香美久美浜線に接続しています。具体的には、路線の起点は柴山駅の駅前広場に設定されており、そこから南東方向へと短い区間を進み、県道11号線との交差点が終点となります。

路線の総延長は約369メートルと、県道としては非常に短い部類に入ります。通過する自治体は兵庫県美方郡香美町のみであり、路線の全線がこの町の中に収まっています。地理的には、香住区浦上という集落を通っており、柴山湾に近い沿岸部の地域です。この地域は、漁業や観光が盛んな香住地区の一部を形成しています。

沿線には、この路線の名称の由来ともなっているJR山陰本線の柴山駅があります。柴山駅は、香美町の海岸部にある無人駅ですが、地域の住民にとっては重要な公共交通機関への玄関口となっています。県道163号線は、まさにこの駅を利用する人々が、車やバス、自転車などで駅と地域の間を行き来するための主要なアクセスルートとして機能しています。

また、終点で接続する兵庫県道・京都府道11号香美久美浜線は、香美町香住区から京都府京丹後市久美浜町へと至る比較的交通量の多い道路です。県道163号線がこの県道11号線に接続していることにより、柴山駅へのアクセスが地域内だけでなく、より広範囲からの利用者にとっても容易になっています。例えば、自家用車で駅まで送迎する際や、タクシー、路線バスなどが駅へ乗り入れる際に、この短い県道が不可欠なルートとなります。

このように、兵庫県道163号柴山停車場線は、全長こそ短いものの、柴山駅という地域の交通結節点と主要幹線道路を結ぶという極めて重要な役割を担っています。駅の利用者にとっては、ここから旅が始まり、またこの道を通って地域へと帰っていく生活の道であり、地域住民にとっては、駅へのアクセスを確保するための基盤となるインフラです。生活道路として、そして地域と鉄道駅をつなぐ結節点としての機能を果たす、地域交通網の中で見過ごすことのできない存在と言えるでしょう。香美町内の数ある県道の中でも、その機能が明確で、地域における役割がはっきりと定義されている路線の一つです。

（関連情報として、兵庫県の県道に関する全体的な情報は、兵庫県の県道一覧などの項目を参照することで、より広範な知識を得ることができます。）

この短いながらも重要な県道は、今日も地域の足として、また外部との接点として、静かにその役割を果たし続けています。

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