兵庫県道32号坂越御崎加里屋線

兵庫県道32号坂越御崎加里屋線

「ひょうごけんどう32ごう さこしみさきかりやせん」と称されるこの路線は、兵庫県南西部、赤穂市内に設定されている主要地方道の一つです。この路線は、赤穂市の東部に位置する歴史的な港町である坂越地区を起点とし、風光明媚な赤穂御崎を経由し、市街地の中心部、JR播州赤穂駅がある加里屋地区を終点としています。赤穂市内を結ぶ重要な地域幹線道路としての役割を担うとともに、沿線には数多くの観光施設や景勝地が点在しており、観光アクセスルートとしても広く利用されています。本路線は、起点から終点まで全ての区間が赤穂市内に収まる完結したルートとなっています。

概要

兵庫県道32号坂越御崎加里屋線の具体的なルート情報は以下の通りです。

起点: 路線は赤穂市坂越の坂越橋東交差点から始まります。この交差点では兵庫県道459号周世尾崎線と接続しており、坂越の古い町並みや坂越湾に近い位置にあります。
終点: 終点は赤穂市加里屋の赤穂駅前中交差点です。ここでは国道250号と交差しており、JR播州赤穂駅の正面に位置する、赤穂市の交通と商業の中心部です。
総延長: 道路の総延長は、約10.796キロメートルです。

歴史

この県道は、主要地方道として指定された経緯があります。

1993年（平成5年）5月11日に、当時の建設省によって、県道坂越御崎加里屋線として主要地方道に指定されました。この指定は、地域高規格道路網を補完し、主要な都市間や地域間の連携を強化する目的で実施されるものであり、本路線が赤穂市内における重要度の高い道路として位置づけられたことを示しています。

路線状況

本路線の区間によっては、特定の交通規制が実施されています。

2006年11月時点の情報によれば、路線のうち尾崎地区から坂越地区に至る区間において、土曜日、日曜日、および祝祭日の終日、二輪車（オートバイなど）の通行が禁止されています。この規制が現在も継続されているかは、最新の交通情報で確認が必要です。この区間は、特に海岸線に近く、景観が優れている一方で、道路線形や安全上の理由からこのような規制が設けられている可能性が考えられます。

地理・沿線

兵庫県道32号坂越御崎加里屋線は、赤穂市内の特徴的な地域を結んでいます。

通過自治体: 本路線の経路は、全線にわたり兵庫県赤穂市内を通過します。他の自治体を経由することはありません。
交差する主要な道路:
起点（坂越橋東交差点）: 兵庫県道459号周世尾崎線
終点（赤穂駅前中交差点）: 国道250号
ルート上には、これら以外にも市道や他の県道との交差点が存在します。
沿線にある主な施設・見どころ: 本路線の近傍には、赤穂市を代表する史跡や観光スポットが数多く点在しています。
坂越の町並み: 起点近くに位置する、江戸時代から現代に至るまでの歴史的な建造物が多く残る港町の景観地区です。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
赤穂御崎温泉: 路線のほぼ中間点、瀬戸内海に面した高台にある温泉地です。風光明媚な景観を楽しめる旅館や施設が集まっています。
赤穂城: 終点近く、赤穂市街地に位置する城跡です。江戸時代には赤穂藩浅野家の居城であり、「忠臣蔵」ゆかりの地として非常に有名です。国の史跡に指定されており、一部の建物が復元されています。
大石神社: 赤穂城跡のすぐ北側に隣接しており、赤穂義士を祀る神社です。忠臣蔵ファンにとっては聖地とも言える場所です。

この県道は、海岸線の景観を楽しみながら走行できる区間や、歴史的な町並み、温泉地、そして赤穂城跡といった主要な観光資源へのアクセスを担っており、地域住民の生活交通路としての機能に加え、観光道路としての性格も強く持っています。総延長約10.8キロメートルという適度な長さで、赤穂市の魅力を凝縮して体験できるルートの一つと言えるでしょう。

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