兵庫県道380号江井ヶ島大久保停車場線

兵庫県道380号江井ヶ島大久保停車場線（ひょうごけんどう380ごうえいがしまおおくぼていしゃじょうせん）は、兵庫県明石市内を縦断する一般県道です。明石市大久保町江井島にある江井ヶ島地区を起点とし、同市大久保町駅前1丁目のJR山陽本線大久保駅前、大久保駅北交差点を終点とする、全長3.525キロメートルの路線です。

概要

この県道は、明石市の南部に位置する江井ヶ島海岸近くから北上し、JR大久保駅へと接続するルートをたどります。

かつて、JR大久保駅の南側一帯が現在ほど開発されていなかった頃は、県道は現在の谷池交差点で直進する経路でした。そのまま道なりに進み、JR山陽本線の西側にあった柳田踏切（現在は廃止されています）を渡り、北側の大久保西交差点に至るルートでした。江井ヶ島方面から大久保駅方面へ向かう場合、この踏切を通過する必要がありました。

しかし、1990年代以降、大久保駅南地区では大規模な宅地開発「オーズタウン」が進み、それに伴ってこの地域の人口が飛躍的に増加しました。人々の往来が増え、車両の交通量も増加した結果、列車の運行頻度が高いJR山陽本線の柳田踏切は「開かずの踏切」と呼ばれるほど長時間閉まることが常態化し、慢性的な交通渋滞を引き起こす大きな問題となりました。この状況を解消するため、柳田踏切は廃止されることとなり、代わりにJR線路の下をくぐる福田アンダーパスが建設されました。

このアンダーパスの完成に伴い、兵庫県道380号線のルートも大きく変更されました。現在の経路は、谷池交差点で直進せず、右折して国道250号線と短い区間重複します。そして次の皿池交差点で左折し、国道250号線から分かれて北へ向かいます。その後、オーズタウンに建設された高層マンション群の西側を通り抜け、福田アンダーパスを経由してJR山陽本線を立体交差し、かつての終点方面と同じく大久保西交差点へと接続します。このように、都市開発とそれに伴う交通インフラの整備に合わせて、路線のルートが改められました。

重複区間

兵庫県道380号線には、他の国道と経路を共有する区間が存在します。

一つ目は、明石市大久保町江井島地内にある皿池交差点から谷池交差点までの区間です。この約100メートルほどの短い区間において、国道250号線と重複しています。谷池交差点は県道380号線の旧ルート上の要衝であり、現在のルート変更点でもあります。

二つ目は、明石市大久保町大窪の大久保西交差点から、同市大久保町駅町2丁目にある国道大久保交差点までの区間です。この区間は、国道2号線と重複しています。大久保西交差点は県道380号線の現在のルートが接続する主要な交差点であり、ここから国道2号線と並走または重複しながら、終点であるJR大久保駅前方面へと向かいます。

地理・沿線

この県道は、その全線が兵庫県明石市内を通過します。

沿線には、いくつかの主要な施設や交通機関があります。

南部の起点近くには、夏場に多くの人々が訪れる江井ヶ島海水浴場や、地域の商店が集まる江井ヶ島綜合市場があります。また、山陽電気鉄道の本線が県道と近接しており、山陽電気鉄道江井ヶ島駅も沿線に位置します。

北部の終点近くには、JR西日本山陽本線の大久保駅があります。県道はかつて柳田踏切で、現在は福田アンダーパスでJR山陽本線を横断しており、大久保駅へのアクセス路としても機能しています。また、県道はルート変更後の福田アンダーパス付近で山陽新幹線とも立体交差しています。

本路線が交差する主な鉄道は、山陽電気鉄道本線、山陽新幹線、そしてJR西日本山陽本線です。

兵庫県道380号江井ヶ島大久保停車場線は、明石市の南部海岸部とJR大久保駅周辺の市街地を結び、地域の生活や交通を支える重要な道路として機能しています。

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