兵庫県道443号上三河平福線

兵庫県道443号上三河平福線 記事

はじめに

兵庫県道443号上三河平福線（ひょうごけんどう443ごう かみみかわひらふくせん）は、日本の道路法に基づき指定された兵庫県の一般県道の一つです。この路線は、兵庫県西部に位置する佐用郡佐用町内を縦断するように設定されており、佐用町の北部山間部にある上三河地区から、南部に位置する旧宿場町である平福地区を結んでいます。その総延長は9.555キロメートルに及びます。

路線概要

本路線の起点となるのは、佐用郡佐用町上三河にある「上三河交差点」です。この場所では、鳥取県と兵庫県を結ぶ主要地方道である鳥取県道・兵庫県道72号若桜下三河線に接続しています。県道443号線はここから概ね南東方向へと進み、佐用町内の山間部や農村地帯を抜けていきます。そして、終点は佐用郡佐用町平福の地区内であり、中国地方の日本海側と山陽側を結ぶ主要な幹線道路の一つである国道373号線に接続して終了します。

この県道は、その全区間が佐用郡佐用町内に収まっており、町内の異なる地域間を結ぶ地域内幹線道路としての性格が強い路線と言えます。起点が町北部の山間集落、終点が南部の比較的開けた地域であることから、佐用町内の生活・経済活動における地域間連絡路として機能しています。

地理的特徴と沿線景観

県道443号線が通過する地域は、兵庫県を代表する清流の一つである千種川の流域にあたります。路線の沿道には、千種川の流れに沿って進む区間もあり、豊かな自然景観を楽しむことができます。四季折々の変化に富んだ里山の風景や、川のせせらぎは、通過する人々に安らぎを与えてくれます。

また、路線の一部には「寺坂峠」を越える区間が含まれています。この峠越えの道は、周辺の地形に合わせてカーブが多く、勾配もあるため、走行には特に注意が必要な箇所です。しかし、この峠を越えることで、地域間のアクセスが確保され、佐用町内の交通ネットワークが成り立っています。

沿線の主要施設と交通網との関連

本路線の沿線やその近傍には、地域住民や訪問者にとって重要な施設が点在しています。佐用町平福地区には、智頭急行智頭線の「平福駅」が位置しており、県道443号線はこの駅へのアクセス路としても利用されています。智頭急行線は、京阪神方面と鳥取方面を結ぶ鉄道路線であり、県道が駅へのアクセスを担うことで、地域外との結びつきを支えています。

さらに、平福地区にある「道の駅宿場町ひらふく」も本路線の重要な沿線施設です。この道の駅は、かつて因幡街道の宿場町として栄えた平福の歴史的な雰囲気を活かして整備されており、休憩施設としてだけでなく、地元の農産物や特産品を販売する賑わいの拠点となっています。観光客やドライバーが多く立ち寄るため、県道443号線は、この道の駅への重要なアプローチ道路の一つとして、地域の観光振興に貢献しています。

地域における役割

兵庫県道443号上三河平福線は、総延長こそ比較的短いものの、佐用町内の交通体系において多様な役割を担っています。上三河地区や沿線の集落と、平福地区という生活圏を結ぶ主要な生活道路として、住民の日常生活（通勤、通学、買い物など）を支えています。

加えて、智頭急行平福駅や道の駅宿場町ひらふくへのアクセスを容易にすることで、公共交通の利用促進や地域観光の活性化にも寄与しています。特に、歴史的な町並みが保存されている平福地区への訪問者にとって、この県道は主要な入口の一つとなります。山間部の静かな集落から、情緒あふれる宿場町へと至る道のりは、佐用町の豊かな自然と歴史文化の両方を感じさせてくれます。

このように、兵庫県道443号上三河平福線は、佐用町内の地域間を結び、生活、産業、観光の各側面から地域社会を支える重要な一般県道です。

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