兵庫県道469号上内膳塩尾線

兵庫県道469号上内膳塩尾線（ひょうごけんどう469ごうかみないぜんしおせん）は、淡路島の中央部を東西に結ぶ重要な一般県道です。兵庫県洲本市にその起点を持ち、淡路市へと至るこの路線は、地域の交通ネットワークにおいて多岐にわたる役割を担っています。

路線概要

この県道の総延長は約9.620キロメートルに及びます。路線の起点は洲本市上内膳に位置しており、「二本松交差点」で他の主要道路と接続しています。具体的には、兵庫県道125号洲本松帆線や兵庫県道472号鳥飼浦洲本線がここで交わります。一方、終点は淡路市塩尾にあり、淡路島を南北に縦断する主要幹線である国道28号と交わる地点となっています。

地域の生命線としての役割：国道28号の代替路

本県道は、単なる地域内の移動路としてだけでなく、特に緊急時における極めて重要な代替機能を持つ路線として位置づけられています。淡路島における主要な交通軸である国道28号は、その一部区間が地質や気象条件などの影響により、事前通行規制の対象となる場合があります。具体的には、淡路市塩尾から洲本市安乎町平安浦にかけての区間や、洲本市中川原町厚浜から同市炬口にかけての区間などが該当します。

このような国道28号の規制発生時において、兵庫県道469号線は交通の流れを確保するための迂回路として指定されます。島の東西を結び、国道28号の機能を補完することで、交通網の寸断を防ぎ、地域住民の生活や物流の維持に貢献しています。この迂回路としての機能は、災害発生時などにおける島の交通網のレジリエンス（回復力）を高める上で不可欠であり、本県道が地域の生命線とも言える存在であることを示しています。

経路上の重複区間

路線中には、他の県道と一時的に同じ経路をたどる重複区間が存在します。淡路市上加茂の上加茂交差点から、同じく淡路市中川原町市原の市原口交差点にかけての区間では、兵庫県道46号洲本五色線と重複しています。また、淡路市下司地区の一部区間では、兵庫県道468号明神安乎線とも重複しています。これらの区間を走行する際は、案内標識などを注意深く確認することが推奨されます。

通過する自治体と沿線の風景

この県道は、起終点を含む兵庫県洲本市と淡路市の二つの市を通過します。沿線には、地域の産業、教育、そして日々の生活を支える様々な施設や集落が点在しており、その風景は地域の暮らしぶりを映し出しています。

沿線に位置する主な施設としては、

パナソニックエナジー社洲本工場: 地域の産業を支える重要な拠点です。
教育機関: 洲本市立加茂小学校、洲本市立中川原小学校、洲本市立安乎中学校、洲本市立安乎小学校、淡路市立塩田小学校など、多くの学校が沿線やその周辺にあり、通学路として利用されています。
郵便局: 中川原郵便局や安乎郵便局があり、地域住民の生活利便性を高めています。
住宅地: シーサイドヒル海平の郷のような住宅地もあり、生活道路としての本県道の重要性を示しています。

沿線からは、淡路島特有の起伏のある地形や、田園風景、そして場所によっては海岸線に近い海を望む景観など、多様な自然や地域の営みを感じ取ることができます。

まとめ

兵庫県道469号上内膳塩尾線は、総延長約9.6キロメートルという比較的短い路線ながら、淡路島東部における交通ネットワークにおいて多岐にわたる役割を担っています。日常的な地域住民の移動や生活を支える基盤であるとともに、特に国道28号の通行規制時における迂回路としての機能は、島の交通網のレジリエンス（回復力）を高める上で不可欠なものです。地域の産業、教育、生活を支える沿線施設を結びつつ、緊急時にも頼りになるこの県道は、淡路島における重要な動脈の一つと言えるでしょう。

もう一度検索