兵庫県道526号与布土桑市線

概要

兵庫県道526号与布土桑市線（ひょうごけんどうごひゃくにじゅうろくごうよふどくわいちせん）は、兵庫県朝来市内を南北に縦断する重要な一般県道の一つとして指定されています。この路線は、朝来市山東町与布土にその起点を持ち、市の南部地域にあたる朝来市桑市までを結んでいます。路線の総延長は7.651キロメートルに及び、主に地域住民の移動や生活物資の輸送を支える生活道路、そして地域内の主要な連携を担う道路としての役割を果たしています。

起終点

この県道の起点は、朝来市山東町与布土の特定の地点に定められています。ここでは、地域内の細やかな交通ネットワークを形成する兵庫県道276号檜倉山東線と接続しており、山東町内の他地域へのアクセスポイントとなっています。
一方、終点は朝来市桑市に位置する「桑市交差点」です。この交差点では、但馬地域南部の主要な地方道の一つである兵庫県道70号十二所澤線と交わります。桑市交差点周辺は、地域からの交通が集まる主要な結節点であり、他の幹線道路や公共交通機関への接続点として重要な機能を果たしています。

路線状況

兵庫県道526号線は、その全長約7.6キロメートルの区間内に、他の主要な幹線道路とルートを共有する区間が存在します。具体的には、朝来市伊由市場にある「伊由市場交差点」から、同市石田の「石田交差点」までの間が、国道312号線との重複区間となっています。国道312号線は、但馬地域を南北に貫く大動脈ともいえる主要な国道であり、この重複区間があることで、兵庫県道526号線は国道312号線のネットワークの一部として機能し、地域内の広域的な移動においても利便性を高める役割を担っています。この区間では、道路標識においても国道と県道の両方が併記されています。

道路施設

この県道の沿線には、地域の地理的な特徴を克服し、交通の流れを円滑にするための主要な道路施設が設けられています。その一つが「伊由峠トンネル」です。このトンネルは朝来市内に位置しており、延長は205メートルあります。比較的新しいトンネルであり、1999年（平成11年）に完成しました。伊由峠を安全かつ迅速に通過することを可能にし、特に山間部における交通の円滑化や、悪天候時の交通確保に貢献しています。このトンネルの開通により、峠越えによる迂回や時間ロスが解消され、地域の交通アクセスが大幅に改善されました。

地理

兵庫県道526号線が通過する自治体は朝来市のみであり、この道路は朝来市内の交通ネットワークとして完結しています。路線の大部分は、地域の豊かな自然景観を育む円山川に沿って延びています。円山川沿いを走る区間は、四季折々の美しい自然を楽しむことができる一方、円山川の存在が地域の開発や交通網に影響を与えている側面もあります。
また、沿線には地域の生活に深く根ざした施設が点在しています。特に、終点近くには朝来市立中川小学校があり、この県道は地域の子どもたちの通学路として重要な役割を果たしています。さらに、JR西日本播但線の青倉駅も終点近くに位置しており、この県道は鉄道駅へのアクセスルートとしても利用されています。路線の経路は、途中でJR播但線とも交差しており、地域の交通網が道路と鉄道で密接に連携していることがうかがえます。これらの施設へのアクセスを提供する県道として、地域住民の日常生活を支える基盤となっています。

地域の貢献

兵庫県道526号与布土桑市線は、朝来市山東町与布土から桑市に至る約7.6キロメートルの区間を結ぶことで、地域住民の生活、通学、通勤、そして地域の産業活動を支える基盤となる道路です。国道312号線との重複区間を通じて広域ネットワークへの接続を果たし、伊由峠トンネルによって交通利便性を向上させています。また、円山川沿いの自然景観や地域の公共施設へのアクセスを提供するなど、多岐にわたる機能を持つ重要な一般県道として、地域の交通インフラにおいて欠かせない存在です。

兵庫県道526号与布土桑市線