兼子佳代

兼子 佳代

日本の元スキーヤー、兼子 佳代（かねこ かよ）氏は、1981年3月7日に福島県会津若松市に生まれました。旧姓は三星。SAJ（全日本スキー連盟）ナショナルデモンストレーターである兼子 稔氏を夫に持ちます。

兼子氏のスキーとの出会いは、国体選手であり地元のスキースポーツ少年団の監督を務めていた父、そして姉や兄の影響でした。幼少期から1997年に閉鎖されるまで、家族と共に地元の「おおすごスキー場」を滑り込みました。小柄な体躯からは想像もつかないほど、その滑りは周囲の子供たちの中でも群を抜いており、「すっとびのスキー少女」として知られていました。類まれなるガッツと卓越した技術は、誰にも真似できないものだったと言われています。

中学生になると、全国中学校スキー大会で5位に入賞し、国内において「福島に三星佳代あり」とその名が広く知られるようになりました。若松女子高等学校へ進学後もその勢いは止まらず、県内ではライバル不在の強さを誇りました。高校時代に出場した蔵王でのインターハイ大回転競技では、福島県勢としては実に40数年ぶりという歴史的な優勝を果たし、その名をさらに高めました。

高校卒業後は中京大学に進みましたが、大学時代には骨折という大きなアクシデントに見舞われます。しかし、この困難を乗り越え、大学4年次にあたる2003年には、学連選抜選手として初めて全日本スキー技術選手権大会に出場しました。この大会で大回り種目3位、総合13位というデビュー戦とは思えない好成績を収め、その才能を開花させました。

社会人となってからも、兼子氏は全日本スキー技術選手権大会への挑戦を続けました。初出場の2003年以降、2004年には29位、2005年には20位、2006年には7位と徐々に順位を上げ、2007年には初の準優勝を果たし、頂点にあと一歩まで迫りました。翌2008年も4位と安定した成績を維持し、2009年には3位、2010年9位、2011年8位と常にトップ選手としての地位を確立しました。そして、記念すべき10回目の出場となった2012年、遂に悲願であった全日本スキー技術選手権大会の総合優勝を果たしました。その後も、2013年6位、2014年には再び準優勝、2015年4位、2016年5位と、引退する年まで常に上位で戦い続けました。

使用するスキー用具においては、スキー板とブーツはヘッド社、ウェアはアシックス社と契約を結び、自身のパフォーマンスを支えるパートナーとしていました。

選手としてのキャリアを通じて、幼少期からの情熱と卓越した技術、そして何よりも不屈のガッツで数々の実績を積み上げ、日本のスキー界に確かな足跡を残しました。2016年の大会出場をもって、全日本スキー技術選手権大会からの引退を表明し、トップ選手としての競技生活に区切りをつけました。

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