兼子真也

兼子 真也（かねこ しんや）

1955年1月6日、山形県河北町に生まれる。アートディレクター、グラフィックデザイナー、そして造形作家としても知られる人物。制作集団E.ART.H（アース）の代表を務める。山形県出身で、血液型はO型。作家の兼子一は従伯父にあたり、法学者の兼子仁は再従兄である。

経歴

山形県立山形東高等学校を卒業後、千葉大学教育学部美術科に進学し、1978年に同学部を卒業した。同年から千葉県の公立学校教諭として教職に就く。

教職を経て、1986年からはデザインの世界へ転身。NAC DESIGNのデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、翌1987年には鬼工房へ移籍しデザイナーを務めた。1988年、文化シヤッターのブランドであるテンパルにてディレクターとして活動。1991年には富士フイルム プレゼンテックと日本ペイント カラーデザインセンターでディレクターを兼任するなど、異なる分野でディレクション業務に携わった。

1995年からは市進学院にて数学科教材編集を担当。1996年には空間設計におけるプレゼンテーションツールの制作に携わるなど、多様な経験を積む。

1999年、制作集団「EartH」の結成に参画。2000年にはヨーロッパ（イタリア、スペイン、オランダ、フランス、イギリス）を外遊し、見聞を広めた。2002年には制作集団名を「E.ART.H」と改称し、独立して品川区に事務所を設立した。

主な活動と作品

独立後は、アートディレクターとして様々な企業のプロジェクトに参画する。2003年にはタカラ（現タカラトミー）のロングセラー商品『人生ゲーム』発売35周年プロモーションに携わった。2004年には日本児童文学者協会の各種印刷物デザインを手掛ける。2005年には日産自動車の新車企画のコンセプト立案に参画するなど、自動車業界にも関わった。

IT分野では、2006年にPicsel Technologies（現 Picsel）Japanのウェブサイトのアートディレクションを担当。2007年にはソリマチのSPツール、リコーの各種カタログのグラフィックデザインを行う。2008年にはスタイルバンク東京のウェブサイトのアートディレクションを手掛けた。

また、映画やイベント関連のデザインも担当しており、2010年には映画『ゼブラーマン』とオカモトのタイアップ企画や、『平家物語の夕べ』公演カタログのデザインを行った。同年、リコージャパンのレンタルカタログデザインも手掛けた。

食品関連では、2010年に正田醤油の新商品ネーミング、ラベル、広告デザインを手掛けた「塩半分｜味十分」がある。その他、2011年にはハゴロモのカレンダーリスト、ルミカの『ケミホタル』カタログのデザインを担当した。

造形作家としては、「Aging Object Works」というシリーズを手掛けている。また、千葉市やあきる野市などの公園モニュメントや、財務省（旧大蔵省）造幣局の門柱デザイン、さらに「地図の町 佐原」のシンボルマークデザインなど、公共性の高い空間や施設におけるデザインも多く手掛けている。

活動の拡大に伴い、事務所は2009年に目黒区へ、2012年には中央区へと移転している。2012年には「N° CONCEPT」を開業した。

著作としては、共著で『右脳クイズ』と『左脳クイズ』（ともに1992年、コスモ出版）がある。また、装丁デザインとして『オランウータンの森』（2004年、国土社）も手掛けている。

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