兼山橋

兼山橋（かねやまばし）は、岐阜県加茂郡八百津町と可児市の間を流れる木曽川に架設された重要な橋梁です。現在、この橋は岐阜県道381号多治見八百津線の一部として供用されていますが、かつては岐阜県道365号和知兼山停車場線の一部でした。

この兼山橋は、長い歴史の中で幾度となく架け替えられ、現在のものは四代目に当たります。初代と二代目の橋は有料であったという特徴を持っています。

現在の四代目兼山橋は、1967年（昭和42年）11月29日に供用が開始されました。橋の規模は、延長94.0メートル、幅員6メートルです。この橋は、八百津町和知地区と可児市兼山地区を結んでいます。

兼山橋の歴史は古く、初代が誕生したのは1891年（明治24年）9月5日のことでした。この初代兼山橋は、全長265尺（およそ80メートル）、幅10尺（およそ3メートル）の全木製の吊り橋でした。位置は現在の兼山橋から約900メートルほど下流に架けられており、有料橋として運営されていました。当時の料金は、人が7厘、荷車や人力車が2銭、牛馬が2銭5厘でした。

初代橋が老朽化したため、1907年（明治40年）には同じ場所に二代目兼山橋が開通しました。こちらも初代と同様に有料であったとされています。

三代目兼山橋は、それまでの位置から約500メートル下流、現在の橋に近い場所に1923年（大正12年）6月11日に開通しました。この橋は岐阜県によって築造され、初めて無料の橋となりました。橋の構造は鉄骨製の吊り橋で、全長107.5メートル、幅3.5メートルでした。

昭和30年代に入ると、自動車の普及が進み、三代目兼山橋を通過する交通量が著しく増加しました。これにより橋の老朽化が急速に進み、1965年（昭和40年）10月には橋桁が破損する事態が発生し、全面通行止めとなりました。また、ワイヤーの腐食も深刻化し、三代目橋は安全性の問題から人間と二輪車のみが通行できる橋として利用が制限されました。

こうした状況に対応するため、自動車交通の需要に応えられる新しい橋として、1967年（昭和42年）に現在の四代目兼山橋が開通しました。四代目橋が完成した後、三代目橋は人間専用の橋として利用されていましたが、老朽化はさらに進行し、1992年（平成4年）にはついに通行が禁止されました。そして、役目を終えた三代目橋は1995年（平成7年）に解体されました。

このように、兼山橋はその歴史の中で、交通需要の変化や技術の進歩に合わせて姿を変え、地域間の重要な接続点としての役割を果たし続けています。

もう一度検索