内家拳

内家拳

内家拳（ないかけん）とは、太極拳、形意拳、八卦掌などを指す中国武術における専門用語です。別名を武当拳（武当派）とも呼ばれています。これは、道教の聖地のひとつである武当山で創始されたという伝説に由来します。

内家拳成立の背景

内家拳と称される拳法は、太祖長拳など明代初頭まで遡れる古い拳法や、少林寺に源を発するとされる少林拳各派と比較して、成立年代が明朝後期から清朝末期と比較的歴史が新しいのが特徴です。そのため、古くから存在する門派に対抗する形で、武当山の道士であった張三丰が創始したという伝説を利用し、「内家拳」の名を借りて自らの拳法を他の拳法と区別したのではないかという説があります。

内家拳と外家拳

少林寺の僧が練習していた拳法を総称して「少林拳」と言い、僧は出家しているため「外家拳」と呼ばれます。それに対し、僧ではない在家の人が練習していた拳法を「内家拳」と呼んだとする説もあります。この説では、道教の僧が練習していた武当拳の分類は今後の研究課題とされています。

別の説では、張三丰が少林寺にいた頃に禅宗の僧として修行したことから、自身を「内家」または「内道」、それ以外を「外家」または「外道」と呼んでいたとされます。その後、少林寺から武当派の道士となった際に、少林寺を「外家」、自らの武術を「内家」と呼んだとも言われています。この記述は、黄宗羲が書き残した墓誌銘「王征南墓志銘」の冒頭にも見られます。道教においては修行者を道家と呼ぶため、このようにして少林拳などを外家拳、自らの武術である太極拳法などを内家拳と称したと考えられています。

現在の武当拳

現在、中国の武当山には武当拳を練習する人々がいますが、その拳法は太極拳、形意拳、八卦掌とは異なっているようです。

参照文献

武当山旅行経済特別区武術局サイト

関連項目

外家拳
発勁

外部リンク

正宗楊家太極拳弘徳会

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