内掃部司

内掃部司（ないそうぶし）について

内掃部司は、古代日本の律令制において宮内省に属する役所の一つであり、主に宮中で使用される調度品の調達や管理を担当していました。この役所は、宮中の敷物や調度品の設営と整備を通じて、天皇や皇族の生活を支える重要な役割を果たしていました。

沿革と職掌の詳細

内掃部司の職掌は、天皇の居住空間である宮中における様々な調度品を扱うことに特化していました。具体的には、食事のための牀（とこ）、狭畳（たたみ）、席（むしろ）、薦（こも）など、日常生活に必要な品々の製造・管理を行っていました。また、簀（す）や簾（すだれ）、苫（とま）といった寝具やカバー類の設営も担当しており、宮中の環境を整える重要な任務を担っていました。

『養老令』によれば、内掃部司の組織構成はかなり詳細に定められており、正官が1名、佑官が1名、令史が1名、そのほかに掃部として30名、使部として10名、直丁として1名、駆使丁として40名が配置されているとされています。このように、内掃部司は比較的小規模ながらも、多くの人員が関与してその業務が行われていたことが分かります。

統合と変遷

内掃部司は、弘仁11年（820年）に閏1月に大蔵省掃部司と統合され、宮内省掃部寮として再編成されました。この統合により、調度品に関する管理業務はより広範に及ぶこととなり、宮内省内での役割が強化されました。新たに設立された掃部寮は、宮中における調度品の整備と供給をさらに効率的に行うための機関となりました。

役所の役割と重要性

内掃部司、さらにはその後の掃部寮は、宮中での調度品の管理を通じて、天皇の生活環境を整えるための重要な役職でした。これにより、宮中の秩序や清潔感を維持し、皇族の公務や儀式における状況を整備する役割を果たしていたのです。調度品が整っていることで、宮中は安全で快適な生活空間となり、皇族の威厳を保つための基盤となりました。

この役所が存在したことによって、日本の官制の中で宮中の生活スタイルが大きく影響を受け、他の官庁とも関わりを持ちながら発展していったことが窺えます。内掃部司の存在は、古代日本の宮中生活を支えるための不可欠な要素であったと言えるでしょう。

参考文献

• - 『岩波日本史辞典』p855、監修：永原慶二、岩波書店、1999年
• - 『国史大辞典』第十巻p510、吉川弘文館、1989年

関連項目

• - 日本の官制

このように、内掃部司は歴史的に見ても貴重な役割を果たしており、日本の官制や宮中の運営について考える上で重要な存在でした。

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